2024年 3月 19日 (火)

カネ余りなのに貸してくれない!羹に懲りてなます吹く銀行「金融排除」

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   超低金利でおカネを借りやすい状況にもかかわらず、企業が銀行から資金を調達できない貸し渋りが広がっている。「本来、金融機関は企業の将来性を見越しておカネを貸して、経済を活性化していくことが役割ですが、過剰にリスクをおそれて積極的な融資をせずに、『金融排除』を引き起こしているのです」と久保田祐佳キャスターは伝える。

   先月(2016年10月)、金融庁は金融機関の消極的な融資の姿勢を「日本型金融排除」と定義し、もっとリスクを取った融資を行うよう強く求めた。金融庁のアンケート調査によると、企業の6割が不動産などを担保にした融資に不満を持っている。

尻叩く金融庁「リスクとってもっと融資しろ」

   かつてない金融緩和でカネが余っていると言われるのに、金融機関はなぜ融資に踏み切れないのか。ある地方銀行の融資業務担当者は、金融排除の背景に各銀行が共有している企業財務格付システムの存在があると話す。企業の過去の財務内容などをもとにランクを付けるもので、たとえば、ある企業の業績が一時的に悪化すると格付けが下がり、不動産など担保に見合った融資しか行わないという。

   銀行が財務格付けを重視する背景には、過去の金融行政のトラウマがある。1990年代のバブル崩壊で不良債権をめぐる金融不安が日本中を覆い、国は不良債権拡大を防ぐために、厳格な融資の基準を求めた。融資業務担当者は「リスクを取っても貸せ」という今回の金融庁の大きな方向転換に戸惑いを感じているという。

   地方銀行・融資業務担当者「(金融庁は)いかに銀行の不良資産を作りださないかというところに注力していました。いきなり取り組みが十分でないと言われても、なかなか意識を180度変えるのはむずかしいですよ」

NHKクローズアップ現代+(2016年11月22日放送「カネ余りなのに借りられない?~『金融排除』知られざる実態~」)

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