<潜入捜査アイドル・刑事ダンス>(テレビ東京系)
芸能界の巨悪を暴け! テレビおちょくるテレ東のお家芸炸裂

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   辰屋すみれ、24歳。職業は、刑事と書いて「デカ」。古き良き人情系ハードボイルド警察ドラマに影響を受け過ぎたまま育った彼が、ようやく「デカ」の肩書を手に入れたところから、物語は始まった。初めての辞令を受けた瞬間、辰屋はよろめく。そしてもちろん、視聴者たる私もよろめいた。「辞令......!アイドルとして大ブレイクして、芸能界の巨悪を暴け」。そりゃ悪事を暴くのは刑事の本懐だろうけど、(このドラマ)正気かよ......!

オープンに芸能界をパロディ

   しかし、この奇天烈設定を足場に、テレビ業界に軸足を置きながら、がっつりテレビをおちょくるテレ東のお家芸が炸裂する。「事務所と揉めて持ち歌が歌えなくなり、ボカロとコラボする演歌歌手」「一巡目で調子に乗ってネタを渋りだした芸人の末路」「文●砲」「楽曲盗作」「天下の●ャニーズ事務所の圧力」......何をパロッているのか、堂々オープンのその姿勢が大好きです。枕営業とか反社会的勢力とのつながりとか、本当にあるの?! と慌てるこちらをよそに、「あとはご想像にお任せします(ニヤリ)」な態度も、さすがの一言。これは最大限の賛辞ですが、なんていうかもう、テレビの風上にも置けないんだから!

アイドルユニットのキャラが魅力

   主人公TATSUYA(中村蒼)と一緒にアイドルユニット「デカダンス」をくむメンバー5人も、大事にキャラがつくられているのがまたいい。元詐欺師で謎が多いが、プレイボーイでみんなの兄貴分のYUYA(大東駿介)、元ひきこもりでハッキングと某巨大掲示板の炎上が特技のSHOW(横浜流星)、芸歴は長いが今に至るまで売れていない業界通の元子役TERU(森永悠希)、そしてただのBAKAことD(立花裕大)。ちなみに、TERU役の俳優は、映画「しゃべれどもしゃべれども」で国分太一・香里奈と互角に渡り合う名演を見せた、正真正銘の元子役。こういうキャスティングのうまさ、うーん芸が細かい!もったいぶらずにちりばめられるパロディ要素、ナレーション遣いの巧さ、そしてこれでもかと繰り出される「ちょっとずれた」主人公と周囲の掛け合いの面白さは、設定のありえなさを置き去りにして、こちらを惹きつける。

   当初の目的としていた、芸能界のドンを逮捕することという目標は達されたものの、不穏な動きを見せるYUYAとマネージャーの島崎。はたして、もうすぐ明らかになるであろう、デカダンス結成の本当の理由は?そして二人はなにをたくらんでいるのか......?いっちょまえに、サスペンス風の引きをかましながら、次回はいよいよクライマックス。実はこの二人が親子!だとか、味方に見えていたこの人は敵!だとか、弱者だと思ってたらラスボスでした!的などんでん返しを、これでもかと詰め込んでほしい。二転三転した結果、「夢オチくだらねぇ!」くらいの、最高にばかげたエンディングが待っているのではないかと、いまから楽しみ。でも、ちょっといい話だけど最後でずっこけるっていうのも捨てがたい。(土曜深夜0時20分)

ばんぶぅ

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