「不沈戦艦」はなぜ沈んだ? 航空機に弱かった「武蔵」自らの砲弾・火薬で爆発か
「NHKスペシャル 戦艦武蔵の最期~映像解析 知られざる"真実"~」(NHK総合)

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   70年以上前にフィリピンのシブヤン海で沈没した『不沈戦艦・武蔵』の最期を知ろうと、探査スタッフから入手した100時間分の映像を7人の専門家が解析した顛末だ。全長263m、ジャンボ機3機分もの巨大戦艦は1200mの深海に沈んでいるのだが、残骸は船首部分と船尾部分の間150mに粉々のパーツとして転がっている。
   最高機密として建造された武蔵は、対戦艦ならば絶対に負けない世界一分厚い装甲板を備えていたが、装甲板を繋ぐリベット(ネジ釘みたいなもの)が弱点で、航空機から砲撃されたら破壊されて浸水するという想定はなされていなかった。武蔵排除を目指したアメリカ軍は、爆撃機100機以上で同時に襲い、10発が命中した。
   先に戦艦大和がたった一発でやられた同じ欠陥を、軍の上層部は知っていながら改良しなかったのである。大戦艦の致命的な弱点を最後まで放置し、若い水兵たちは「武蔵は沈むはずがない」と思い込まされて船と共に海のモクズとなった。専門家たちはさらに、沈没の途中で、巨大戦艦が対戦艦のために装備していた160発もの砲弾と火薬庫が大爆発を起こして、沈んだと推理する。それが粉々になった理由ではないのか。ここの部分はCGで鮮やかに説明された。つまり、自分の火薬で自分が木っ端微塵になったという皮肉な結果である。戦争を知らない若いスタッフたちによる執念の類推で、90歳を超えた生き残りたちの物言いに無念さを見たのは筆者だけか。(放送2016年12月4日21時~)

(黄蘭)

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