「保護なめんな」と生活保護担当者、揃いのジャンパー そんな恰好で支援出来るの?

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   神奈川県小田原市の生活保護担当職員が「保護なめんな」とプリントされたジャンパーを着用し生活保護家庭を訪問していた。「ただでさえ肩身の狭い思いをしているのに...」と威圧を感じさせる文言が物議をかもしている。

   黒色のジャンパーの胸にひと際目立つ黄色のエンブレム。そこには『HOGO NAMENNA』や×印のついた『悪』の文字ある。また背中には生活 保護 悪撲滅 チームの頭文字からとった『SHAT』の大文字の下には英文で次のような文言が書かれていた。

「我々は正義だ 正義であらねばならない 不正を見つけたら我々はそれを追いかけ罰を与え 悪を正していく もし不正行為によって我々を出し抜き私腹を親そうとするならばあえて言う『お前たちはカスだ』」

   ジャンパーは担当職員64人が自費で購入し着用していたようだが、このジャンパーで生活保護家庭を訪問されては、「生活保護受給者なめんなよ」と受け取られてしまう。

   生活保護に詳しい法政大学現代福祉学部の湯浅誠教授は「これでは生活保護を出す権限と自立サポートの仕事が一緒になっていることで生活保護受給者に対して絶対的な上下関係が生まれてしまう」と批判する。

職員への傷害事件がきっかけで作成

   担当の市福祉健康部の幹部によると、ジャンパーを作成したのは2007年7月に起きた事件がきっけだった。生活保護を打ち切られた男に刃物で市職員が傷つけられたことから「職員のモチベーションが低下した中で不正受給を許さないという強いメッセージを盛り込みつつ職員の連帯感を高揚させるためジャンパーを作成した」という。

これでは行けない

   スタジオでも批判が相次いだ。羽鳥慎一キャスター「これを着て生活保護を受給している人のところへ行ってはいけないですよ」。

   AERA前編集長の浜田敬子「不正受給を取り締らなければいけないという担当者の苦労はあると思う。しかし実際は、受給有資格者のうち2割ぐらいしか受給していない。皆さん何とか頑張って受給しない人が多い。今回の問題は使命感を感じすぎている」。

   テレビ朝日ディレクターの玉川徹「一部の不正受給者のために生活保護者全体が悪いという意識がどうもあるように思う」。

生活保護受給世帯も不正受給も増加

   ただ不正受給者が年々増加していることも事実だ。小田原市の場合、生活保護受給世帯は5年前の2009年に2万件だったのが、14年には2万5000件に増加。このうち不正受給として摘発されただけでも'09年20件だったのが、14年には100件と5倍に増えている。

   不正受給が増加する中で、実務を担当する職員が不正は許さないという思いでつい突っ走ってしまったのだろう。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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