叱らないで伸ばす方法あり 合理的なオニになる

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   現代ニッポンから「オニ」がいなくなろうとしているそうだ。

   アニメの「巨人の星」の父ちゃんや、「ガンダム」のブライトさんのような、オニのようにコワいオトナを見ることが少なくなっているという。ある保育園では、節分の豆まきのオニが保護者からの要望を受けて、コワくないお面に変更されたそうだ。会社の新人との接し方に悩む企業の間では、新人のほめ方を教えるセミナーが人気だという。

   三重県伊勢市のある自動車教習所は、「ほめちぎる教習所」との看板を掲げているそうだ。以前はオニ教官が厳しく指導していたが、生徒が集まらなくなり、ほめちぎるやり方に方針転換したという。

   「ガツンと叱ると(教習に?)出てこなくなるし、教習に対するモチベーションも上がらない。いままで通りの教育をして、成果を出していくのは限界に来ていると思う。環境が変わったら、環境に合わせていくしかないというか」(自動車教習所の社長)

   方針転換前の2012年、年間の生徒数は2162人だったが、2016年には2734人に増加。やさしさを求めて、遠い県外からも大勢の若者が教習を受けにやってくるという。

   一方、若手社員を叱るタイミングがわからず、ためらってしまうといった悩みを持つ人もいるそうだ。また、NHKが視聴者から「オニ」についての意見を募ったところ、「組織や社会で鬼は必要」との意見が7割に上ったという。意見を寄せた人の5割ほどが、40代以上だったそうだ。

   「いまの私たちの世代とは大きく変わってきた若者をどう育てるべきか」(小郷知子 )

自分自身に考えさせる指導法と目標管理シート

   箱根駅伝で3連覇を達成した青山学院の原晋監督は、チームの週6日の練習のうち、3日間は直接指導せず、練習メニューにも口出ししない方針だという。自分自身で課題を見つけ、乗り越えようとすることで、力を引き出させる考えだそうだ。

   「自分自身で考えさせて、それを自分自身でやっていく。これをやれ、あれをやれと指示していると、その管理職以上の能力は出てこない」(原監督)

   ただ任せるだけではなく、独自のオニの流儀があるという。長期的な目標とそのためのステップとなる短期目標を書き込む「目標管理シート」の作成を、選手全員に義務づけているそうだ。シートは1カ月ごとに更新するという。

   短期目標はタイムや走り込みの回数などの具体的な数値で、頑張ればクリアできるギリギリに設定。そして目標を仲間同士で見せ合い、チームで共有するそうだ。目標が甘すぎたり、厳しすぎたりしないか検討し合い、修正することもある。それにより、学生のなかからオニを引き出すそうだ。

昔はただ叱っていただけ

   「まあ、彼らがやってることって、人の動かし方の教科書みたいな本がいっぱい出てて、そこに書いてあることなんですよ。専門家が理論化した、人を動かすメソッドがあるわけです。これまでの人たちは、それをまったく学んでなかっただけの話。勉強してない。本をちゃんと何冊か読めば、ああいったことは多分、できるようになる。それまではなにも考えず、ただ叱ってただけなんですよ」(番組ゲストでタレントの堀江貴文さん )

*NHKクローズアップ現代(2017年1月31日放送「怖い鬼は厳禁!?"ほめられ世代"どう叱る?」)

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