大麻「自家栽培」汚染拡大!相次ぐ田舎移住者検挙「自給自足。迷惑はかけてない」

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   大麻の所持・栽培の検挙者は昨年(2016年)は2700人で、前年比500人余の増加だ。5年間で1.5倍である。ピーク時900キロもあった密輸入の押収量は、一昨年30キロにまで減った。では、大麻はどこから流れてくるのか。国内の人里離れた山奥で栽培されているのだ。

   厚生労働省麻薬取締部や長野県警などは昨年11月、長野県大町市などの山間部で大麻を所持していた男女20人を大麻取締法違反で逮捕し、大麻16キロを押収した。末端価格で少なくとも6000万円相当だった。逮捕者はみな東京や神奈川からの移住者だった。

   彼らは人目につかない山奥にテントを張って大麻を使用していた。音楽祭を催してはSNSで首都圏などから人を集め、大麻の使用・売買の場としていたのだ。保釈された移住者は「山には人がいない。大麻は自給自足。自分たちだけなら誰にも迷惑はかけないと思っていた」と話す。麻薬取締部は「安易な栽培が全国的に広がって、使用も拡大している。何としても撲滅していく」という。

「村おこし」と県も助成金

   日本には昔から、しめ縄や七味唐辛子に使う有害成分の少ない産業用の大麻がある。知事の許可を得て全国で30軒の農家が栽培している。鳥取県智頭町で合法栽培をしていた上野俊彦(38)が昨年10月、大麻の不法所持で逮捕された。村おこしのはずが自ら使用していたのだった。

   上野は神戸から4年前に移住してきて、かつてここで産業用大麻が栽培されていたことを知った。これを復活させることを思い立ち、町と県から補助金1000万円を得て空いた畑を利用して栽培を始めた。県も大いに宣伝して、全国から視察が来た。栽培講習会を開いたところ500人が集まった。

   ただ、地元民は不安も抱いた。「普通の人じゃない人もいた」「危ないなと思った」という。参加した地元の飲食店経営者は、参加者が「インドやカナダでは吸ってたんだ」などと話すのを聞いて戸惑った。有罪判決が確定した上野は「参加者の話を聞くうちに吸っても大丈夫なんだと思ってしまい、参加者から大麻を譲ってもらった」「応援してくださった方に申し訳ない。周囲に相談すればよかった」と語った。

欧州でもアメリカでも嗜好品としては禁止

   薬物対策に取り組んでいる花園大の水谷修客員教授は「2014年の薬事法の改正で合成麻薬(脱法ドラッグ)を抑え込んだが、一部が大麻に流れたんです」という。大麻はマンションでも物置ででも栽培できる。「摘発は氷山の一角。大麻は次の麻薬への引き金になります。芽のうちから摘まないといけない」

   放送中に視聴者から質問がきた。「世界的に大麻は解禁なのに、なぜ日本だけ否定的なのか」

   NHKの古川賢作記者は「欧州でもアメリカでも、嗜好品としての大麻は違法です。合法はウルグアイだけ。麻薬組織の資金源を絶つため」と報告する。大麻の脳に与える影響を研究している大阪大大学院の木村文隆・准教授は「神経回路のメカニズムに深刻な破綻をもたらす恐れがある」と解説する。WHOも精神毒性と依存性を有害としている。

クローズアップ現代+(2017年2月2日放送「大麻汚染 新たな危機 移住者コミュニティーで何が」)

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