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国産コシヒカリに中国産混入? JA京都の米卸が販売、検査結果真っ黒

   JAグループ京都の米卸が販売している国産コシヒカリに中国産コシヒカリが混入されている疑惑が浮上してきた。

   13日(2017年2月)に発売された経済専門誌「週刊ダイヤモンド」(2月18日号)が、「告発スクープ 産地偽装疑惑に投げ売りも   JAグループの深い闇」の見出しで報じたものを番組が現地取材し伝えた。

   記事によると、産地偽装の疑惑が浮上したのはJA京都中央会が出資している米卸売業者「京山」が精米・販売した銘柄3種。

   週刊ダイヤモンド誌が購入した3銘柄の米を無造作に10粒選び専門の検査機関に委託して検査した結果、「滋賀こしひかり」10粒中6粒、「魚沼産こしひかり」10粒中4粒、「京都丹後産こしひかり」10粒中3粒が「中国産コシヒカリ」と判別されたという。

産地特定する同位体検査で判明

同じコシヒカリでもねえ
同じコシヒカリでもねえ

   検査方法は、DNA検査と同位体検査の2種類で行われた。DNA検査はコシヒカリなど品種を判別するため、同位体検査は土壌を分析し生産場所を特定するためで、このうち同位体検査を行った同位体研究所は「認知度は低いが、国際的にも信用性は担保されている検査」という。

   週刊ダイヤモンドの千本木啓文記者によると、告発のきっかけは「かねてから関西のスーパーのコメの値段が関東よりも安いことに疑問を持っていたところ、『京都のある会社の経営が厳しいらしい。何かやっている可能性がある』という話から京山という名前が出てきた。調べたところJAグループの子会社だった」という。

   そこで番組の田中良幸リポーターが14日、京都・伏見区にある京山の精米工場を訪れた。工場ではこの日も精米作業が続けられていたが、疑惑報道を受けて返品が相次いでいるという。

   では、中国産コシヒカリがどの段階で混入されたのか?一般的にコメは生産者から玄米のままJAの目視検査を経て玄米のまま卸売業者に運ばれる。ここで精米、袋詰めにされ小売業者に出荷される。

   しかし生産者は「評判を下げるだけで混入する意味がない」と言い、JAも「生産者から集めたコメをそのまま卸売業者に届けている」という。可能性として京山の精米段階での混入が疑われているのだが、「外国産米を取り扱っていない」と次のように完全否定している。

「当者が産地偽装を行い中国産のコメをブレンドして国産米として販売したことはない。記事は事実に基づいていない」

農水省も調査に乗り出す

   山本有二農水相は「報道は承知している。産地偽装というのは私どもが進めている食の信用や安全に反するものですから徹底的に厳正に対処する姿勢で臨んでいきたい」と述べており、農水省が調査に乗り出しているという。

   田中リポーターによると、数年前のネット通販の中国産米の値段は5キロ当たり980円という国産米の2分の1以上の安さ。安く買って混入すれば利益は出る。問題はその安全性だ。司会の小倉智昭も「同じコシヒカリといっても、中国で生産された米はどんな方法で生産されたかわかりませんからね~」と訝った。