2024年 3月 29日 (金)

村上春樹「騎士団長殺し」もう読んだ?7年ぶり長編に予約殺到、徹夜行列

   この放送後のきょう24日(2017年2月)午前0時に、作家・村上春樹の新作「騎士団長殺し」が発売になった。7年ぶりの長編だ。終夜営業の東京・代官山の書店では整理券を持った人たちが列を作った。予約も好調で、出版社は発売前に重版を決め、上下130万部という。春樹ものに不況はない。

   都内の喫茶店でハルキストたちが「空想読書会」を開いていた。わかっているのはタイトルだけ。表紙を作った人もいた。それぞれが空想の物語を予想する。「『騎士団長殺し』だから、ドン・ジョバンニかな(モーツアルトのドン・ジョバンニに騎士団長を殺すシーンがある)」「剣で血が流れる恋愛ミステリー」「主人公は大学生」「老年/逃亡と反撃」「50手前、女たらしの男」「謎解きがすごい。謎かけてますよね。タバコの銘柄とか、車のエンブレムとかスパゲティーとか全部意味があって」「余裕がある。遊びがある」と楽しそうだ。

アンチ春樹の太田光「かっこつけてんじゃねえよ」

   村上は今年68歳。欧米やアジアの50以上の言語に翻訳され、ノーベル賞の季節になると名前があがる。1979年の「風の歌を聴け」でデビューし、87年の「ノルウェイの森」が累計1000万部。日本で最も売れた本になった。その後、地下鉄サリン事件の後の「アンダーグラウンド」が転機になった。

   社会学者の宇野常寛さんは人気の理由を「時代の大きな問題に、物語の力で向き合ってきたのが大きいんじゃないか」という。「初期のキーワードは『デタッチメント』だといっていました。関わりのなさ。ニヒルな男性主人公。それが『コミットメント』、関わり、に変わりました」

   しかし、村上春樹にはアンチもいる。「爆笑問題」の太田光は「かっこつけんじゃねえよ。こんな(主人公みたいな)日本人いるかよ」と噛み付く。「1Q84」でも「全然わからなかった。なんじゃこりゃ。これをいいという人の感覚について行けない」と言って、ハルキストを怒らせたという。

   パロディーも盛んだ。春樹独特のクールでおしゃれ、リズミカルな文体を巧みにもじった遊びである。たとえば、「村上春樹がカップ焼きそばの容器の『作り方』を書いたら」というのでは、「きみがカップ焼きそばを作ろうとしている事実について、僕は何も興味を持っていないし、何かを言う権利もない? 勝手に液体ソースとかやくを取り出せばいいし」といった調子。春樹の「アッポーペン」とか、ネットで競いあっている。

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