2024年 4月 20日 (土)

家族信託で"争族"を防げ 遺言書は万能ならず

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   相続トラブルが急増しているそうだ。家庭裁判所に持ち込まれた相続トラブルは、この10年ほどで倍増し、年間17万件を超えるという。その3割は1000万円以下の相続で、以前より小さい金額でもめるケースが増えている。NHKが行ったアンケートでは、「父の死後、兄弟4人が50万を争い、10年以上たったいまも、しこりが残っている」などという声も寄せられた。

「『(親の)最後の世話をしたのは私です。大変だった。あなたは、それ(遺産)を受け取る権利はない』と言われた」(実の姉に相続の放棄を迫られ、放棄したというAさん)

   こうした相続トラブルを避ける方法として「遺言書」が知られているが、番組のスタジオゲストで、相続トラブルの相談歴25年という吉田修平弁護士によると、遺言書も万能ではないそうだ。

「遺言書を書いたあとで、10年、20年たつこともある。その間に財産を使ってしまい、書いてあることと実際が違ってくることがある」「生きていれば、(本人に)『なんでこんなこと書いたの』と聞けるが、もう亡くなっている」(吉田)
「(生きてる間でも)『いま、書いているの見せて』とか、親子でもちょっと言いにくいですよね」(番組ゲストのタレントの東貴博さん )
「でも、ご安心下さい。あらたなソウゾク対策があるんです」(小郷知子キャスター)

   その対策とは「家族信託」だそうで、親が生きている間に、財産の管理運用と相続について家族間で決めておき、契約をつくるというものだという。

「(家族信託は)相続対策のイノベーション」(家族信託コーディネーターの横手彰太さん)

   具体的には、まず司法書士などの専門家に依頼して財産状況をくわしく調査。その後、財産運用から相続に至るまでの契約書を作成するという。たとえば、親が自分の財産を子供に委託し、子供が無報酬で管理し、親の介護費や生活費をそこから支払う。親が亡くなると、残った財産を子供が相続する、などだそうだ。

   費用は「最低でも数十万はかかる」(吉田)という家族信託だが、認知症がらみの相続・金銭トラブルを防ぐための手段としても注目されはじめているという。

   認知症が進んで判断能力がなくなると、本人の預貯金の引き出しや不動産の売却が事実上できなくなるばかりか、どこに預金があったのか、わからなくなってしまうこともありえるそうだ。しかし認知症が進む前に家族信託契約を結び、財産の管理や運用を子供が行えるようにすれば、「機動力のある相続対策ができる」(吉田)という。

「もし子供に悪意があった場合、親がだまされる危険性はないですか?」(小郷知子キャスター)
「たとえば弁護士や司法書士、税理士などを『信託監督人』にして、チェックするシステムを作ることもできる。そこで、もしお子さんが懐に入れてしまったなどとわかれば、これは横領罪といったことになります」(吉田)

*「クローズアップ現代+」(2月28日放送「さらば"争族"トラブル~家族で解決!最新対策~」)

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