「観ておいてよかった」!映画史に残る戦争映画の傑作 主人公に「のん」ぴったり
<この世界の片隅に>

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   1944年(昭和19年)2月、幼い頃から空想と絵を描くことが得意だったすずは、広島市江波から呉の北條周作のもとにお嫁にやってくる。当時の呉は、世界最大の戦艦とうたわれた「大和」も母港とする海軍の一大拠点で、軍港の街として栄えていた。不器用なすずは小姑に小言を言われながらも、時には好きな絵を描き、新しい土地でささやかで温かな暮らしを築いていく。しかし刻々と戦況は悪化し、空襲は日に日に増えていくのだった。

   昨年11月に公開以降、口コミでじわじわと評判が広まり、公開館数は封切り日の63館から現在(2017年1月時点)は約200館に拡大。観客動員数は130万人以上。数々の映画賞を受賞し、いまなお上映中のロングランヒットとなっている。

   観てきた人の誰もがこの映画を勧めてくるので、公開から4カ月ほど経ってようやく観に行ってきたが、感想をひとことで言うなら「観ておいてよかった」。

   戦争映画は実写・アニメ問わず数多あるが、本作は『火垂るの墓』と並んで映画史に名を残す傑作となるだろう。とはいえ、同じアニメでもテイストはまったく違い、主人公のすずは「私はいつもぼーっとしてるけぇ」と自他ともに認めるうっかり者で、そんな彼女の言動にくすくすと笑えるシーンも多く、生活は決して悲惨そうには見えない。しかし、そんな穏やか日常に突如、すさまじい空襲がやってきて、日常は一気に暗転する。そのギャップが逆にリアルで、戦争がいかに破壊力があるものなのかを思い知らされる。

   この物語に出てくるすべての登場人物はごく普通の人であり、そのような市井の人々が戦争の一番の被害者なのだ。そのことをこの映画は優しくもまっすぐに私たちに訴えてくる。後半は涙なくしては観ていられなかった。

   それにしても、主人公すずを演じたのん(能年玲奈)の役へのはまりっぷりは、誰しもが認めるところだろう。彼女以上にこの役を上手にこなせる女優や声優がまったく想像できない。改名を余儀なくされて辛い時期もあったろうけど、彼女にはこれからもっともっと活躍の場を広げてほしいなぁ。

   (C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

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