「共謀罪」、じわじわ効いてくる?

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   テロなどを実行する前の準備段階で処罰する「テロ等準備罪」が国会審議入りした。テロなど重大な犯罪について、客観的に相当な危険性がある場合に、事前に処罰できる「予備罪」がすでに存在するが、「準備罪」では、277の犯罪について実行前のより早い段階で処罰できるようにするという。

   政府はテロ等準備罪の「安全性」を強調するが、憲法が保障する「内心の自由」や表現の自由、社会への萎縮効果を懸念する声が上がっているという。番組には、視聴者から「よくわからないという声がたくさん寄せられている」(武田真一キャスター)。

   政府が強調するのは、2003年に初めて国会に提出された『共謀罪』との違いだ。共謀罪では、殺人などを計画して、お互いが事前に合意すれば、処罰対象となる。これでは対象が曖昧で拡大解釈ができる、同意しただけで処罰されるのは「内心の自由」を侵害しているといった批判が強かった。一方、テロ等準備罪では、犯罪計画への合意に加えて、資金や物品の手配などの行為を行った場合が対象だ。

   「共謀罪は、内心で合意するだけで犯罪となる。それだと、目配せしただけで犯罪が成立するとか、内心の自由に踏み込まれるという不安がいっぱいあった。今回は『合意』に加えて、『準備行為』という客観的、外形的な行為を加えた。目配せしただけで犯罪になるとかの心配は、まったくなくなった」(漆原良夫・公明党中央幹事会会長)

   しかしテロ等準備罪も依然として、共謀罪と本質は変わらず、内心の自由が侵されかねないと懸念する声もある。

   「『そんなことはしません』『ありません』といって、法律は作られる。でも今回の法律、共謀罪ほど拡大解釈の余地がある法律はない。世の中の空気を一変させてしまうことがありえる」(吉岡忍・日本ペンクラブ専務理事)

   「『準備行為』を解釈するのは捜査機関だ。捜査機関の恣意的な判断、解釈が可能になってしまうという怖さがある。たとえば、生活のためにATMからお金を引き出したら、それが犯罪の準備行為と解釈される可能性がある」「『テロをやります』と公言する団体はまずない。そうなると、捜査機関が(テロを準備する可能性がある団体として)幅広く監視をすることになるのではないか。労働組合、基地建設反対、反原発といった市民運動も含めて、監視対象になって情報収集をされる、あるいは規制をされることもありうるのではないか。この法律は、少しずつ内心の自由とか、表現の自由に影響を与える、遅効性の毒みたいな影響を与えることが懸念される」(ジャーナリストの江川紹子)

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