2024年 4月 19日 (金)

シリア攻撃は中国への交渉材料に使われた? アメリカ単独で北朝鮮へ軍事介入の姿勢示す

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   「化学兵器を使用した卑劣な行為は容認できない。レッドラインを越えた」。トランプ大統領がシリア・空軍基地へのミサイル攻撃を開始したのは米中首脳による夕食会の真っ最中で、その絶妙なタイミングを巡って今、世界中の注目が中国、朝鮮半島に集まっている。

   北朝鮮の核開発をやめさせろ―習近平・中国国家主席へのプレッシャーと北朝鮮への警告。さらに追い打ちをかけるように米原子力空母「カールビンソン」が朝鮮半島へ向け南シナ海を航行中という。

   地中海東部に展開中の米駆逐艦がGPS搭載の巡航ミサイル「トマホーク」で攻撃を開始したのは6日(2017年4月)午後8時40分(米東部時間)。ちょうど米中首脳による晩餐会の最中で、トランプは習近平国家主席を他の招待客から離れたところに連れ出し、「子どもや女性が殺されたため攻撃に踏み切った」と告げた。

習近平主席も攻撃に理解示す

   これに対し習近平主席は「子どもが殺されたのであれば仕方がない対応です」と述べ、理解を示したという。

   番組にゲスト出演したアメリカ政治に詳しい明治大学政経学部の海野基教授によると、「トランプが攻撃開始を指示したのは6日午後5時の1回目の米中首脳会談が終わり、晩さん会で習近平を気持ち良くさせ面子を保ちながら、翌日の2回目の会談に入る前にシリア攻撃を挟んだ。次の日の交渉を進めるための道具に使った」と見る。

   トランプ大統領は今月2日、英国のメディアのインタビューに「中国が北朝鮮を解決しようとしないなら我々が解決する」と述べ、中国が北朝鮮への圧力を強めないならアメリカ単独でも核の脅威を取り除くと警告していた。そのプレッシャーを具体的な形で習近平本人にぶつけたという見方だ。

アメリカが許さない一線とは?

   では、北朝鮮の超えてはならない一線、レッドラインをアメリカはどう見ているのか? 海野教授は「一つは、北朝鮮がアメリカ本土に届くミサイルの完成を米情報機関が確認した時。二つ目は、トランプが習近平に宿題に出した北朝鮮の核開発の放棄が実現しないと判断されたときをもってレッドラインとみる可能性がある」という。

   ただ、番組コメンテーターの橋本五郎(読売新聞特別編集委員)は「私はシリアと違って北朝鮮は難しいと思う。シリアはアメリカを攻撃する力はないわけで、今回の攻撃も限定的だ。北朝鮮の場合は、リスクはシリアよりもある。北朝鮮の方が先にソウルないし日本を攻撃しうる可能性があり、それをどの程度防げるか見通しなしに踏み切るのは難しい」と言う。

   それでも圧力をかけ続ける必要があるとみたのか、シンガポールにいた米原子力空母「カールビンソン」がオーストラリアへ行く予定を急きょ変更し現在、朝鮮半島沖に向けて航行中という。

モンブラン

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