2024年 4月 24日 (水)

声失った「つんく♂」さんの新たな仕事術とは?「食道発声法」に取り組むが未公開

   2年半前にこう頭がんで声帯を摘出した「つんく♂」さん(48)は、声を失っても音楽プロデューサーとしての活動は続けている。一体どうやっているのか。羽鳥慎一が事務所を訪ね、スマホとPCで聞いた。

   「この事務所では何を?」と羽鳥が聞くと、つんく♂さんはスマホにLINEのメッセージを打って、画面を見せる。「ここではミーティング。ハンコついたり」とあって大笑い。

   壁の一面を埋めたCDラックには約2500枚のCDがあった。つんく♂さんがプロデュースした、あるいは曲作りの参考にしたもの。そこで羽鳥が気になったのが、「山川豊 全曲集」。「参考にされてるんですか、演歌を?」

   「僕が曲を提供させていただいたこともあるんですが、その時に勉強しました」。「ニューヨーク物語り」という曲を作っていた。

   「洋楽もありますね」というと、1枚を抜いて見せた。「この辺は僕の趣味」「これ、聴いたら絶対知ってる」というのが、「POWER STATION」。しかし羽鳥は、聴いても「わからない」と言っていたら、そのうち知ってるメロディーが出てきた。「1分30秒でようやく」(大笑い)

   「社長室」も見せてもらった。ここでは作曲をするという。ギターを持って音を出して見せた。

   つんく♂さんといえば、1992年、ロックバンド「シャ乱Q」のボーカルとしてメジャーデビュー。モーニング娘などの楽曲も手がけ、これまでにプロデュースした数は1800曲以上になる。歌手にイメージを伝えるために、自ら歌うのがやり方だったが、声を失ってこれができなくなった。

歌のニュアンス「文章でも細かく伝える」

「今は、どのようにして歌のニュアンスを伝えているんでしょうか」

   「今は、文章でも細かく伝えるし」とサンプルを示したのだが、羽鳥が「これは難しい」という。ひらがなの歌詞の、どこを伸ばすかが示されているのだが、音がないのだから。

つんく♂「まあ、勿論歯がゆい部分もたくさんあります」「でも、それを乗り越えてアーティストの個性が出てくる面もあります」「今までにはないことですね」
羽鳥「声帯の手術をするのは大変だったと思うんですが......」
つんく♂「直後は本当に大変で」「食べ物が喉に通らないとか」「首も半分ほど切ってるので」「寝てて、起き上がる時に自分で手を添えないと起き上がれない」
今、「食道発声法」に取り組んでいる。
つんく♂「体力も要ります。特に腹筋を」
羽鳥「声が戻ったという様な書かれ方もしましたが」「声が戻ったのではなく、新たなる言葉を伝える方法を習得した」
つんく♂「そんな感じですかね」

   しかしメディアの前では、使わない。「こだわりがあるんですか?」

つんく♂「ゴールがどこにあるか決めてませんが」「ロックスピリッツじゃないけど」「もう少し先に何かが見えてくるんじゃないかな。って」「まだ完璧な感じがしないんですね」

   挑戦は続く。歌手クミコさん(62)の新曲で、作詞家松本隆さん(67)の詩に初めて曲をつけた。「大人のラブソング」だというが、筆談とパソコンを駆使して組み上げた。一度音が出ればわかる。発表会では、つんく♂さんのギターが伴奏した。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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