早朝営業の定食屋で小鉢の連打!「朝からすごいことに」なった井之頭五郎
〈孤独のグルメ〉(テレビ東京系)

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   断じて、「ぼっちめし」なんかではない。メニューの組み立てへの真摯な姿勢、あともう一品、もう一品、と箸を伸ばす貪欲な探究心、そして得られる深い深い充足感。まさに「孤独のグルメ」のタイトルにふさわしい。番組紹介の言にある通り、グルメドキュメンタリードラマ、なのである。

   仕事の途中の昼飯は、サラリーマンのオアシスだ。特に営業職が出先で食らう、知らない街の知らない店でのランチは毎日が一期一会。しがらみも忘れ、我慢も解き放ち、今何が食べたいのか。その心の声に耳を傾ける。ぴたりと気持ちに合うメニューがみつかり、それがアタリだった時の充足感たるや。オープニングの「この行為こそが、現代人に等しく与えられた最高の権利なのである」の言葉に嘘はない。

   さて、今回の「孤独のグルメ」はなんと朝8時半。およそ昼食とは言えない時間だが、4時起きの早朝出勤ともなると、腹の虫がぐぅぐぅ鳴る頃合いだ。すわ、牛丼のチェーン店か?!と思う主人公・五郎だったが、そう簡単に妥協はしない。「青果市場なら市場で働く人の行きつけがあるはず」と早朝営業の定食屋を探し当てる。

   そして、店に入ってからのメニュー選びにもこだわりが光る。魚か肉か? 悩んだ末のオーダーは、豚バラ生姜焼き定食と小鉢の連打。肉!生姜!たっぷりキャベツに白ご飯、とくればもう間違いないのに、そこに明太子・納豆・自家製つけもの・土佐煮・トマトの酢漬け、と気になるものを心のままにオーダー。絶対ご飯足りないよね!?と叫ぶ視聴者の心の声にこたえるがごとく、五郎の心の声が呼応する。「朝からすごいことになっちゃったな...!」

   その後も、五郎・心の一句は絶好調で、とどまるところを知らない。豚バラを口に含んで「おおーぅ、質実剛健」とうなり、漬け物に我流で七味をかけ「七味漬け物、これも美味」とひとりごちる。明太子には「このサイズでこの破壊力!ご飯の劣勢必至」と実況中継し、生姜焼きのタレの染みたキャベツを「うまい!これは名もなきひとつの料理だ」と詩人のごとき叙情をにおわす。そして、一心不乱に料理を口に運ぶ際のBGMは、どこまでもリズミカルで、疾走感のある一曲。できの良い食事には音楽と同じで組み立ての哲学がある......とうそぶきたくなる。あぁもう!我ながら、何を言っているんだか。完全に五郎に引きずられている。

   仕草やコメントの絶妙なおかしみ、黙々と食べる顔面に滲む生真面目さと幸福感、そして腕白にして完璧な注文のセンス。飯テロ界のパイオニアの実力、シーズン6にして衰えず......井之頭五郎、ここにあり!(放送金曜0:12~)

ばんぶぅ

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