普及し始めた無痛分娩で妊婦が死亡! 「急変時に対応できる」病院選びが大事

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   出産時の痛みを和らげる無痛分娩で女性が死亡する事故が起きた。大阪府警は麻酔を投与した病院院長が人口呼吸などの必要な措置を怠った可能性があるとみて、近く業務上過失致死の疑いで書類送検する方針という。

   欧米では出産全体の60%、日本でも10%弱にまで普及している無痛分娩。「スッキリ!!」ではそのリスクについて注目した。

   事故があった病院は、大阪・和泉市の産婦人科病院「老木レディスクリニック」。病院側の弁護士によると、今年(2017年)1月、無痛分娩を選んだ31歳の母親の出産時に、院長が麻酔を投与したところ母親が呼吸不全に陥り意識不明となった。

帝王切開で産児は無事

   病院側では急遽、帝王切開を行い産児は無事に出産できたものの、母親は10日後に低酸素脳症で亡くなった。この病院では以前から無痛分娩を行ってきたが、患者が死亡したケースは初めてという。

   無痛分娩は麻酔を使って出産時の痛みを和らげ、母体への負担を軽くする。「スッキリ!!」のコメンテーターで産婦人科医の富阪美織は「分娩中の痛みを取ることによって、体の緊張をほぐし体力の消耗を抑えることで産後の育児がやり易くなるメリットがある」という。

   アメリカやフランスでは出産全体の60%、オーストラリアは30%まで普及。日本では保険適用外のために約10万円の追加費用が掛かるが、現在10%弱まで広がっている。

   では、今回の死亡事故のように無痛分娩にはどんなリスクがあるのか?

麻酔事故は起こりうる

   無痛分娩は、背骨の脊髄の外側にある硬膜外腔に針を刺し、カテーテルの管から麻酔剤を注入し局所麻酔を行う作業だが、無痛分娩を支えているのは適切に麻酔を注入する医師の技術だ。

   今回、死亡した母親のケースについて産婦人科医は、「麻酔注入時に何かが起き硬膜に何らかの穴が開いたか、カテーテルが膜下腔に入ってしまい、局所麻酔薬が全身に回って呼吸筋が麻酔薬で遮断され呼吸ができなくなったのではないか」とみている。

   産婦人科医によると、誤った場所に麻酔を注入する可能性は「誰がやってもありうる」ことで、これが第一のリスク。ただし、厚労省は「無痛分娩による出産が、自然分娩による出産より危険というわけではない。すぐに異変に気付き適切な処置をとれば大事に至らない」という。

   問題は、容体の急変に対応できる設備が整っていない病院が少なくないことで、これが第二のリスクだという。厚労省は今月、無痛分娩について「急変時に対応できる態勢を十分整えたうえで実施するよう」医療機関に緊急提言を行った。

   いずれにしろ病院や医師の問題だが、富坂医師は「無痛分娩の場合は麻酔という処置が加わるのでリスクはある。麻酔をしたときに一時的に低血圧になることもある」と指摘する。では無痛分娩で急変した時に妊婦はどんなサイン、症状に気を付ける必要があるのか。

   カテーテルを入れた際に肘に電気が走るような感覚が下半身に出た場合や麻酔薬投与から2~3分後に足が動かない、呼吸が苦しい、耳鳴り、口の周りの痺れなどを感じたら要注意という。

文   モンブラン
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