2024年 3月 29日 (金)

都以外の自治体負担350億円で五輪経費は決着 忘れられた1枚の文書が証拠に!

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   「完全勝利ですね。大変な満足感でいっぱいです」。満ち足りた表情でこう語ったのは黒岩祐治・神奈川県知事。東京五輪・パラリンピックの開催経費について揉めていた東京都以外の関係自治体の負担問題が31日(2017年5月)、電撃的に決着したのだ。

   31日に開かれた会合でその負担枠は350億円となった。急きょ決着に至った裏にいったい何があったのか?「スッキリ!」が追った。

   総経費1兆3850億円。このうち予備費(最大3000億円)を除いて東京都、大会組織委が各6000億円、国が1500億円と大筋で合意。残る都以外の関係自治体の負担枠が最後まで決まらず焦点となっていた。

   原因は、「決められない」小池都知事にあった。当初、小池都知事は「3月末までに結論を出す」と表明していたが、結論が出ないまま5月に突入。痺れを切らした神奈川、埼玉、千葉の3県知事が安倍首相に直談判する騒ぎにまでなった。

   その後、都、国、大会組織委で調整した結果、都以外の関係自治体が「納得できる負担枠」(丸川珠代五輪担当相)として400億円と見積もられた。

   しかし、これにも「話が上がってきておりません」(森田健作千葉県知事)、「またかという不愉快な思い。勝手に数字が出る」(上田清司埼玉県知事)と反発を露わにした。

   結局、31日に会合で都以外の関係自治体の負担枠を400億円から350億円に圧縮。これまでの反発がウソのように黒岩知事の完全勝利宣言となったほか、上田埼玉県知事「良かったと思います。これまでのことは忘れます」、森田千葉県知事「終止符が打てたのはまずよかった」とご満悦だった。

4年前の文書が出てきた

   この裏に何があったのか? 黒岩知事によると、3県側の主張が通ったのは、事務方が「古文書が見つかりました」と持ってきた4年前に東京都から神奈川県に渡された文書。そこには「セキュリティー等に関しては危険で、通常無償で提供している行政サービスを無償提供していただくのみで、それ以外については責任をもって自分たちで対応します。貴県には一切ご迷惑をおかけいたしません」と書かれていた。

   黒岩知事がこの文書を31日の会合に提出し、「4年前からの約束の証拠だ」と小池都知事に迫り、主張が通ったという。

   取材した阿部祐二リポーターは「これまで何だったのかの一語に尽きますね」。近藤春菜(お笑い芸人)も「引継ぎとしてちゃんとしていれば、この1枚の文書でとっくに解決できた」。大義のない景気付けだけの東京五輪に懐疑的な宇野常寛(評論家)は「自治体の長が完全勝利とか言っていることが卑しいですよね」。

   こうした約束事を無視したのか忘れたのか東京都もおかしい。開催まで残りあと3年あるが、このていたらくでは今後も迷走はありそうだ。

文   モンブラン
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