社員をつなぎ止めろ!企業あの手この手・・・給料より休日・休憩優先

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   転職マーケットがたいへんな売り手市場になっている。求人倍率はバブル期超えの1.48倍。企業は従業員のつなぎとめに必死だ。大卒の入社3年以内の離職率は31.9%、業界によっては50%を超える。失業率も3%を切った。

   人手不足の中、求職側の意識も大きく変わった。これまで社員が会社に求める第一は給料だったが、いまは「働く環境(残業・休日)」が最優先だ。厚生労働省の調査によると、離職理由の1位は「労働時間や残業が長い」「休日・休暇が少ない」で22.2%。2位が「人間関係」の19.6%。3位が「自分に合わない」18.8%。「賃金の不満」は4番目で18.0%だった。

残業しない社員にも手当支給

   24歳の男性は大手メーカーの系列会社の営業職で、週末勤務が多かった。やめた理由は「休みの日は他の人と同じように休みたい」「公私混同はしたくない」だった。休みの日にも上司と飲んだりしたくないのだと話した。

   こうした若者の意識の変化を、日本大学の安藤至大准教授は「売り手市場であることが大きい」と分析している。心身の健康被害が心配、処遇が低い、上司がいて昇進がどうなるかわからない、長く働いて報われるかなどが、就職先を選ぶ時の重要ポイントになっているのだ。

   いま「リテンション(保持)」という言葉がしきりにいわれる。元はマーケティング用語で、顧客を引き止めることだが、これが社員を企業が引き止める意味で使われている。年商560億円の大手紳士服販売チェーン「HARUYAMA」は、今春117人を採用したが、悩みは離職率の高さだ。新人の育成費用は年間500万円かかる。稼ぎ手になる前に辞められると痛い。3年前から、転勤への配慮、業務の削減などを始めた。

   さらに、4月から「ノー残業手当」を打ち出した。残業の少ない社員にも最高で月に1万5000円を支給する。定時で仕事を切り上げるよう促すのが目的だ。平均残業時間は昨年比14.3%減り、離職率も11ポイント改善した。売り上げへの影響は出ていないという。

人工知能で「やめそうな社員」早めに発見

   離職の動向を探るのに、人工知能(AI)の活用も始まっていた。オンラインゲームのユーザーの行動を分析する会社は、自社のノウハウを生かして「離職確率を予測するプログラム」を作った。発注主の企業のデータから辞めた社員の勤務パターンをいくつかに分類してある。これを社員の勤務パターンと比較すると、「要注意」が発見できるという。

   大手人材コンサルティング会社が開発したプログラムは、辞めそうな社員の配置転換を提案する。過去に活躍した社員のタイプや仕事内容を「成功パターン」とし、これを社員の適性に照らして、最適の部門への配転を勧めるのだ。

   武田真一キャスター「本来は上司が観察していてわかるものだったんですがねえ」

   安藤准教授「昔は会社が長期にわたって人を育てましたが、今はそこまでできないんです。社員も自分でキャリアを築かないといけないんです」

   かつては会社と社員は運命共同体だったが、いまは対等な契約関係になろうとしている。魅力的な職場や仕事を提供できなければ、人材が逃げるのは当然だ。それができない企業がブラックになっていく。

クローズアップ現代+(2017年6月1日放送「会社が社員にしがみつく!?~大量離職時代をどう生きる~」)

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