結婚せずに「女の子を産む」厳しい宿命 花街に生きる母娘描く
〈京都 祇園 女たちの物語~お茶屋・8代目女将~〉(NHK総合)

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   祇園のお茶屋、富美代の8代目女将・太田紀美は77歳で、200年続く老舗を老骨に鞭打って必死で守ってきた。たった1キロ四方に満たない花見小路に100人の女たちがいて、祇園の女は「結婚できない」宿命を背負い、「女の子を産むこと」を運命づけられている。紀美も31歳の時に未婚のまま娘の直美(45歳)を産んだのだ。

   4歳年下の男性と激しい恋をして直美を産んだ時、先代女将(つまり、母)がやってきて、娘にこの仕事を「継がさんのやったら、このまま出て行ってくれ」と言われたという。結局、紀美は赤ちゃんをつれて祇園に帰ったのである。その娘には20代でヨーロッパ留学もさせて、その影響で直美は祇園の中にアートギャラリーを開いている。いつもにこやかな紀美と違って、若い世代の直美はあまり笑顔ばかりというわけでもなく、世代の違いが伺われる。

   3月29日は都をどりの始まりで、女将たちの組合長もやっている紀美は、650枚のチケットを捌くために奔走し、「マッチ売りの少女ではなくて、切符売りの老婆や」と自虐的に笑う。「一見さんお断り」の格式高い祇園町にはわれわれ庶民は近寄れもしないが、そこに生きる女たちには、生まれながらに背負った宿命があり、豪奢できらびやかなお茶屋遊びを羨ましがることもないと知らしめる。200周年のパーティが9代目への移譲の日となって起承転結は見事に収まったのだが、時代の変化はいつまで祇園を祇園たらしめるのか。

(放送2017年6月3日21時~)

(黄蘭)

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