2024年 4月 24日 (水)

<屋根裏の恋人>(フジテレビ)
「東海テレビ×大映テレビ×中田秀夫監督」の超相乗効果!
ツッコミ所満載でクセになるドロドロ恋愛・ホラードラマ!

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   東海テレビによる"オトナの土ドラ"第8弾にして、昼ドラ時代得意にしていた「恋愛ドロドロ」に初めて挑む。おまけに、制作会社もこれまた「恋愛ドロドロ」で一世を風靡していた大映テレビ。昼ドラ時代に1作だけ組んだことがあるが、「恋愛ドロドロ」系ではなかったため、意外にも、両社が組んでの「恋愛ドロドロ」はこれが本邦初。更に、"オトナの土ドラ"で好評を得ているホラー路線も踏襲。映画「リング」シリーズの中田秀夫監督が手腕を振るう。

怖すぎる高畑淳子

   石田ひかり演じる主人公・西條衣香は専業主婦で、旦那・誠(勝村政信)も高収入で、雑誌にも取り上げられたり、「おうちサロン」を開いたり、傍から見ると絵に書いたような幸せそうな暮らしをしているが、実は家族全員に裏の顔がある(衣香は秘密の借金があり、在宅でいかがわしい「チャットレディ」をしている、等)。そんな一家が、旦那・誠(勝村政信)の父が亡くなったのに合わせ、実家の鎌倉の洋館に引っ越してくる。但し、誠の継母である千鶴子(高畑淳子)という強烈なおばさんも一緒だ。番組開始早々、天井から血が滴り落ちてくるシーンで、次のシーンが高畑淳子のベリーダンス(笑)。そしてその後も、高畑淳子が廊下を歩いたり、いちごをつまみ食いするだけで、怖いシーンに仕上げてくるから凄すぎる。

芝居がクサすぎる今井翼

   ちなみに、先ほどの天井からの血は、結局ネズミが天井裏の釘に刺さっただけだったのだが、この天井裏に、主人公・衣香が18年前に別れた男・瀬野樹(今井翼)が、借金取りに追われてるから匿って欲しいと言って勝手に居座るようになるのだ。この今井翼の演技が、異様に芝居がかっていて、妙にクセになる。

   例えば、衣香の誕生日で、17回目の結婚記念日なのに、旦那も娘も息子も、誰も帰ってこないシーン(旦那は不倫か浮気している)。衣香が一人でしっぽりとスペアリブを食べていると(この時点でなんだか笑えるが)、天井裏からバイオリンの音色が。そう、樹である。衣香が屋根裏に来ると、「ハッピーバースデー」に曲をチェンジ(笑)。「誰かに気がつかれたら」と衣香に言われると、樹はこう返す、

   「誰も気づきはしない。」「世の中に忘れ去られたものが集う、それが屋根裏だから」。 唐突に一体何!? という感じだが、こんな、樹の、もはや演説のようにも聞こえる、まくしたてた変なクサい台詞が何度も出てくるのが、間違いなくこの作品の魅力の一つだろう。

   「東海テレビ×大映テレビ×中田秀夫監督」というのを正に体現していて、ツッコミ所満載な上、ホラータッチで独特な質感のドラマで、気になって見てしまう。今後のストーリーも、衣香と樹が再び愛し合うようになり、更に家族のあんなこんな秘密や、樹の謎が描かれていく。要必見だ。

(フジテレビ 6月3日(土)夜11:40放送)

鯖世 傘晴

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