2020年 1月 18日 (土)

23万人が「静かな時限爆弾」アスベスト吸い込んだ恐れあり! NHKが独自に全国公営住宅を調査

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   吸い込むと数年後にガンを引き起こす恐れがある「静かな時限爆弾」アスベストの危険が身近な市民生活にも広がっている。全国の公営住宅で断熱材や防音材として使われていた。全面禁止された平成18(2006)年以前に住んだことがある人に発症のリスクがのしかかる。NHKが調べると、UR(旧住宅公団)をふくめて32都道府県の約2万2000戸に「恐れていた事態」(武田真一キャスター)につながる可能性が浮上した。

   アスベストは昭和31(1956)年には建築資材としてもてはやされていたが、被害が広く知られたきっかけは平成17(2005)年の大手機械メーカー「クボタ」の工場周辺住民300人の被害が判明した「クボタショック」だ。今回明らかになったのは、工場とは関係なく、昭和31年から平成18年までに公営住宅にいた人たちの危険だ。アスベストは吸いこんでから数十年の潜伏期間を経てガンの一種である中皮腫を発症する。今その時期にさしかかっている。

   横浜市の斉藤和子さん(53)はおととし(2015年)突然、激しい咳に襲われ、中皮腫と診断された。「まさかと思うしかなかった」という。アスベストは気管から肺に入り、胸膜にたまると腫瘍の発生につながる可能性がある。発症後の進行が早く、治療が難しい。

   斉藤さんはどこでアスベストを吸い込んだのか。NPOの中皮腫・じん肺・アスベストセンターが調べたところ、以前暮らした県営住宅につきあたった。今もある住宅の部屋は、天井に封じ込めのコーティングがされていた。他の部屋も同じで、この県営住宅には今も1000人が住んでいる。

   しかし、県の管理台帳によると、対策がされたのは平成元(1989)年。それまではアスベストがむき出しだった。そこに斉藤さんは20年近く暮らし、「子供部屋の二段ベッドから天井を触り、建材をむしったこともある」と記憶をたどる。NPOアスベストセンターの外山尚紀さんは「まず、これが原因だろう」と話す。

どの建物に使われたか不明

   アスベストが使われていた51年間につくられた公営住宅は280万戸以上あるというから、被害はとてつもない範囲に広がっているかもしれない。どの建物に使われたかは、ほとんどわかっていない。

   村山武彦・東工大教授は、吸いこんだ可能性がある人を23万8000人と推計し、「病気になる可能性を否定できない。2030年から2040年ぐらいまでは影響に注意する必要がある」と語る。NPOアスベストセンターの医師、名取雄司さんは「工場より濃度は低いが、小さい時から長い時間にわたり吸いこんでいたから、一概に危険がないとはいえない」としている。

   NHKが調べたのは公営住宅だけ、32都道府県のほかにも記録がないために把握できない自治体もあった、木造住宅なら普通はアスベストを吹き付けることはないというが、民間住宅や住宅以外にもアスベストが使われた可能性は消えない。

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