2024年 4月 24日 (水)

「共謀罪」を改めた「テロ等準備罪」が成立 「中間報告」で委員会審議スキップ

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   「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」の法改正が、今朝15日(2017年6月)の参院本会議を通過し、成立した。「中間報告」という形で法務委員会採決を省略する奇手だった。政府与党はこれで、残り3日の会期を延長せずに、加計学園問題なども置き去りにする構えだ。

   徹夜の攻防の末、午前7時半頃行われた採決では、山本太郎氏(自由党)が「恥を知れ!」と叫んで反対票を投ずる場面もあったが、自民、公明、日本維新の賛成165対民進、共産など70で法案は可決した。議席数から言えば、結果は端から分かっていたとはいえ、やり方は強引そのものだった。

   自民党は奇策に出た。昨日午前、自民の松山政司・国対委員長が、「中間報告」を提案した。これに野党側が「自殺行為だぞ、参院の」と罵声を浴びせる。「中間報告」は、審議打ち切りを意味し、法務委員会での採決をパスする。

   委員長が野党で審議の引き伸ばしを図った時などに、委員会審議を進めるために認められている手続きだが、今委員長は公明で、与党の元でこれを使ったのは珍しい。会期の延長もせず、加計学園疑惑をかわすための奇手だった。「禁じ手」という人もある。

   野党4党は、幹事長・書記局長会談を開き、本会議での採決阻止で一致したが、数では及ばない。結局午後9時半すぎ、野党は安倍内閣不信任決議案を出したが、日付が変わった午前零時すぎ、あっさりと否決された。

   国会の周辺では、法案反対を叫ぶデモが行われるなど、深夜まで騒然とした空気に包まれたが、全て自民党の計算通り、ことが進められた。

   午前3時半、法務委の秋野公造委員長(公明)が、「遺憾ながら全会派の協力が得られず......」という「中間報告」を読み上げ、7時半すぎの本会議採決となった。

本当にテロ対策の条約のために必要だったのか

   異例な形の強行策をとったのは、委員会での「加計学園問題」追求を避けるのと、18日までの会期を延長しないためだった。これで、終盤国会の攻防は事実上終わった。

   小倉智昭「衆議院に比べると、参院での審議時間はわずか十数時間。圧倒的に短い。数から言えば、可決されるのは当然だが、要は、テロ等準備罪が今の日本に必要なのかどうか」

   時事通信の田崎史郎氏「これ、おととい民進党が金田法相への問責決議案を出したのが発端。ぶっ叩かれたら叩き返すということ」

   小倉「安倍さんは、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)のために必要な法改正だ、これがないとオリンピックが開けないと言っていたが、TOCの関係者は、テロ対策の条約じゃないとまで言ってる」

   田崎氏「どっちが正しいのかわからない。そもそも法案そのものがむずかしくてよく分からない」

   小倉「野党の追及も金田法務大臣にばかり行って、法案の中身に触れなかったような」

   田崎「民進党の議員も、加計学園の話だと聞いてくれるが、テロ等準備罪では足を止めてくれないと言っていた」

   小倉「国民の多くが『おかしいんじゃないの』と言ってる。まだ尾を引きそうです」

   やはり「そばゲート」かな。誰だか知らないが、「かけ(加計)ともり(森友)」とはうまいことを言う。だが、ダジャレよりも戦略家が必要だ。安倍内閣の支持率が一向に下がらないのも、「他にいい人がいないから」だとは、情けない思いがする。 

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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