「共謀罪」成立で超警察国家の完成へ ぬるいメディアと野党の問題意識

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   「共謀罪」が強行採決された。野党の昔ながらの牛歩戦術など、かつての社会党のように多くの議員がいた時代ならともかく、政権側への蚊の一刺しにもならない。

   国会前の反対集会に来た人が「負けることに慣れ過ぎている」といっていた。よく今の日本の"空気"を表している。

   共謀罪を戦前の治安維持法と比べる識者がいる。これに私は頷けない。スノーデンが暴露したNSAを持ち出すまでもなく、現代はもはや超監視社会である。どこかで読んだが、歌舞伎町には何十台という監視カメラが設置され、ラブホの出入りも撮られているそうだ。

   顔認証を使って、前川喜平と入力すれば、歌舞伎町でうろうろしている前川の映像は瞬時に権力側の手に入る。GPSでその人間の行動を24時間フォローすることもできる。メール、ツイッター、Facebookはもちろん、NTTは認めないだろうが、通話記録も録音されていることは、通信関係者にはよく知られている。

   昔のように、その人間を尾行したり、周りの聞き込みなどしないで、その人間の行動や考えを、瞬時に手に入れることができる時代である。

   盗聴法、個人情報保護法、共謀罪の成立で、作家の城山三郎が心配していた戦前以上の警察国家の完成である。だから安倍は何としてでもやりたかったのだ。 「加計学園問題で野党の追及から逃れるために早く国会を閉会したかった」などと朝日新聞(6月15日付朝刊)が社説で書いているが、事はそんな生易しいものではない。「民主主義はどこへ行くのか」(同)? 「かくして民主主義は死んだ」と書くべきではないか。

   世論で安倍政権を倒せないなら、嫌ないい方になるが、安倍の変調に期待するしかないのかもしれない。

   週刊新潮は、6月9日(2017年)、安倍夫妻の結婚30周年を祝った夜、10時過ぎに富ヶ谷の私邸に戻った安倍は突然体調が悪化して、慶応病院の主治医が急遽駆けつける騒ぎになったと報じている。

   入院するほどではなかったものの、翌日にメディカルチェックを受けるため、六本木のホテルのフィットネスクラブで汗を流すこととなったという。これは首相動静に書いてあることだが、安倍首相がよくフィットネスへ行くのは、そこに主治医に来てもらって、密かに診察を受けることが多いのだ。

   9日は、菅官房長官の不手際で、前川前次官が告発した文科省にある「総理のご意向文書」で追い詰められていた安倍首相が、再調査すると表明した日である。

   週刊新潮によれば、そうしたことに加えて、妻・昭恵のおかげで森友学園問題で窮地に立たされたことで、夫婦仲も険悪なまま。周囲には仲睦まじいような振りをしなければならないため、ストレスが限界まで達して、持病が悪化したのではないかと見ている。まさに前門の虎、後門の狼である。強気に見える安倍だが「夫婦はつらいよ」と頭を抱えているのかもしれない。

女性記者の身辺調査を命じた菅官房長官

   先週、"冷血動物"菅官房長官を定例会見でしどろもどろにさせた女性記者が判明した。「終わってみれば、全体の半分弱が彼女の質問に費やされ、菅長官の顔には『辟易』の二文字が刻まれていたのだ」(週刊新潮)。この女性記者、東京新聞の社会部記者で、2004年に日本歯科医師連盟の闇献金事件をスクープしている。

   今は加計問題の取材班に入っていて、菅の記者会見に行って、あまりにもほかの記者たちの質問がぬるいので、菅に質問を浴びせたのだろう。今井照容責任編集『文徒』によると、望月衣塑子記者で、神奈川県警、東京地検特捜部などを経て出産後、経済部に復帰。その後、社会部で武器輸出、軍学協同を主に取材して、私も読んだが、『武器輸出と日本企業(角川新書)を上梓している。

   だが腹の収まらない菅は、「官邸スタッフに、警察組織を使って彼女の身辺調査をするよう命じました。(中略)取材用のハイヤーをプライベートで使っていたことはなかったかということまで調査対象になっている」(官邸関係者)。先に書いたが、こんなとんでもないことが行われているとすれば、言論弾圧・警察国家を象徴する重大問題である。だが、週刊新潮はそれほどのこととは考えていないようだ。

   このところ自由党の森ゆうこ議員の質問がすごくいい。特に、文部科学省内で文書を流出させた職員が判明した場合、告発した人物を守るべきだと主張し、元ヤンキーの義家弘介文部科学副大臣の「処分の可能性あり」という発言を引き出した。「告発者を守るっていえないんですか?」と迫る森、怯えさえ見せる義家。「報復をしようという動きがあったら私は許さない」「守るために戦う」と森の決め台詞。彼女と民進党の山尾志桜里が組んだら、安倍を崩せると思う。元クラリオンガールより何倍もいい。

   文書の再調査が始まったが、週刊文春によると、この文書を作成したのも文科省の優秀な女性職員A(33)だという。

   専門教育課の課長補佐で、この文書を作成したが、「Aさんは行政を歪めようとする内閣府からの圧力に対し『ひどいじゃないですか』と憤っていた」(文科省幹部)という。

   前川前次官は、文書を朝日に流したとは認めていないし、省内メールだから彼とは関係がない。

「Aさんが内閣府からの圧力を理不尽に感じていたことは局内では知られていただけに、彼女が流したのでは、と見る向きもありました。ただ、メディアや民進党への流出についてAさんは否定しているようです」(高等教育局関係者)

   森友学園問題では、昭恵の指示なのに、彼女のお付きで経産省出身の谷査恵子が個人でしたこととされ、今夏にイタリア赴任が決まっているという。

   Aも、今夏が異動のタイミングだそうで、大学設置とは関係ない部署に移されるのではないかと噂されているようだ。こんなことをやっていては、公僕たちが叛乱を起こすことになると思うのだが。

NHKが黒塗りしたワケ

   読売新聞が安倍のポチを自ら証明して見せたが、NHKも同罪である。当初、前川の「内部文書はある」発言をスクープしたのはいいが、週刊ポストによると、その文書をテレビで映し出したのに、肝心の「官邸の最高レベル」という文言のところが消されていたのだという。

   これには社内でも「内部文書の価値を無視した報道だ」と批判の声が上がった。NHKの中堅局員が憤懣やるかたない様子で語る。

「文書の所々が黒塗りになっていましたが、文科省の教育課長や内閣府の審議官、参事官などの個人名が黒塗りにされていたのは理解できます。しかし、〈官邸の最高レベル〉の部分は首相の友人が理事長を務める加計学園に対し、官邸側が文科省に認可を迫ったことを窺わせる核心部分です。それがアナウンサーも一切触れずにスルーされた。"これほど内部文書の価値を無視した報道はない"と局内でも議論が起きました」

これは週刊ポストによれば、今年の4月に報道局長になった小池英夫の指示だったといわれているそうだ。

   小池は政治部で長く自民党を担当していた。報道の直前、彼は「こんなものは怪文書と同じだ」といい、その部分を黒塗りして放送するよう指示したそうだ。

   菅官房長官のいい方と同じだ。さらに、以前にも書いたが、前川のインタビューはすでに取り終えているのに、いまだ放送されていない。NHKも読売新聞も、もはやジャーナリズムを名乗るのはやめるべきだ。

「都民ファーストの会」圧勝の予測

   さて、週刊現代は都議選挙で小池都知事率いる「都民ファーストの会」(嫌なネーミングだ)が、圧勝すると特集している。

   東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の鈴木眞志研究員の協力で議席数を予測したという。

   結果は、都民ファーストの会が5から46。自民党が57から37。公明党が22から21。共産党が17から15。民進党は18からわずか4だという。

   私も都民ファーストはかなりいくとは思う。安倍政権批判票がそちらへ流れるというのもわかる。だが、今回、都民ファーストが多数を占めると、小池は総理になる可能性が高くなると書いているが、なぜ、都議選に勝ったぐらいで小池総理誕生なのかがさっぱりわからない。

   都議選が反安倍票の掘り起こしにはなるだろうが、それと小池総理など結びつくはずがない。

   それに都民ファーストの勝利は安倍自民に対する都民の怒りが集結したもので、小池への全面信認では断じてない。都民の一人として、これだけはいっておきたい。

福岡・警察官殺人事件の不可解

   このところ警察官の不祥事も止まるところを知らないが、福岡県小郡市で6月6日に起きた母子三人殺しは、単純だが不可解な事件である。

   最初から夫である福岡県警巡査部長の中田充(38)が犯人だと推測されたが、警察は容疑者から事情を聴いただけで、無理心中の可能性があると発表した。

   だが司法解剖の結果、充が容疑者として浮上し、逮捕された。充容疑者は地元の高校を卒業し、福岡大学に進学したが、2年で中退して、福岡県警の臨時採用に応募して警察官になった。

   その後、友人の紹介で会った看護師と結婚する。週刊文春で知人が、「健康的だが気の強い子」だといっている。

   しかし、出世は遅く、10年で5回も引っ越しをしているという。旦那は真面目で、奥さんは勝ち気で、他人の前でも夫をしかりつける。力関係が逆転した夫婦だったそうだ。

   だが、そんな夫婦はどこにもいる。その程度で妻を殺す気になるだろうか。週刊文春によれば、妻がほかの男とカラオケボックスへよく行っていたと報じている。この男性の存在が事件の引き金になったのだろうか。

   県警の元同僚が、充は警察学校の仲間に「『人生やり直せれば、その時はあいつと結婚せんわ』としみじみ話していた」という。

   週刊文春によると、このところ福岡県警では、強制わいせつ、野球賭博などで現役警察官が起訴されたり書類送検されているし、今回の件では当初「無理心中の可能性」などとお粗末ぶりを露呈しているので、8日に開かれた県警会見では警務部長と首席監察官は3分半も報道陣に頭を下げた。だが、その席に樹下尚本部長の姿はなかった。 「説明責任を果たさず逃げ回っている」(県警担当記者)そうだ。お粗末な本部長に浅はかな巡査部長。これでは福岡県民はおちおち寝てられんな。

小出恵介と「女子高生」とメディア

   フライデーが報じた俳優・小出恵介(33)の17歳の女子校生と飲酒&SEXをした「淫行疑惑」だが、件の女子高生はカネ欲しさに売り込んだのではないかという批判が起こっているようだ。

   週刊文春は、その少女の告白を載せている。週刊文春も当初、その子に接触していたという。だが、そのA子が、金銭目的で証言していることを隠さなかったために、慎重に検討していたところ、フライデーにスクープされてしまった。

   フライデーは金銭を払って情報を買ったといいたいようだ。また、小出と寝たことを嬉しそうに知人に報告するLINEが晒されたため「美人局」疑惑も浮上してきた。

   スポニチにはA子が小出に500万円要求したが、決裂したという記事が出た。A子のバックには大阪の半ぐれ集団がついていて、組織的に小出を嵌めたのではないかという話も広がった。A子はこうした疑惑にどう答えるのか。

   小出とのSEXはいい思い出にしたかったというのもあって、友達に自慢したが、そのうち、妊娠の心配や怖さがこみ上げてきた。そんなとき友達からいわれた、週刊誌に売ったらカネになるという言葉を思い出し、復讐、小遣い稼ぎと思ってフライデーに連絡したという。

   その後不安になり小出に連絡した。すると会いたいという連絡が来たので、小出の宿泊先の帝国ホテルへ行く。だが、小出はまた彼女を抱こうとし、拒むと、カネで解決すればいいんだろうと、いくらか聞いてきたそうだ。

   その後、小出とマネージャーと彼女とで会い、その場でようやく小出は「申し訳ない」と謝罪した。マネージャーも謝ったが、そのとき小出はニヤニヤしていたので腹が立ったと話している。

「あたかも私の方から金銭を要求したかのようにマスコミに言われて、家族にまで迷惑がかかってしまった。むしろお金で解決しようとしたのは小出君の方だし、さらに謝罪の場でも体を求めてきたんです。このことを知ってもらいたくて、すべてを話しました」

   彼女は1年前に子供を産んだシングルマザーだそうだ。話の辻褄はあっている。今度は小出が何を話すかだが、謝る一手しかないのだろうな。

   日本初のNBAプレーヤー・田臥勇太とテレ朝の竹内由恵アナの「秘めた愛」が週刊新潮に載っているが、この続きはまた明日の心だ~。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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