異形のものから人間について考えるドラマ 不思議なものを作る局のDNA
〈フランケンシュタインの恋 第8回〉(日本テレビ)

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   この局は不思議なものを作り出す。「妖怪人間ベム」や「怪物くん」も確かこの局だった。異物や怪物を扱っても、いつの間にか「人間について」考えさせるドラマになっている。今回の「怪物」は120年前に博士によって死から蘇った「人間の形をした」怪物である。博士とは気難しい人間嫌いの深志研太郎(斎藤工)のことである。

   深志研(綾野剛)は実は120歳の不老不死の怪物なのだが、森の中で好きなラジオを聴いているうちに人間について学習し、つぶらな瞳の優しい男として「菌女」なる綽名の女子学生・津軽継実(二階堂ふみ)に恋をする。脚本は手練れの大森寿美男、音楽も素敵だ。

   第1回を見た時は、森の中で綾野の顔からキノコがにょきにょき生えてきて気持ちが悪かったが、何といってもおずおずと人間社会の端の方で遠慮がちに生きている研のいじらしさに、ついつい共感してしまうのだ。ラジオで問題を起こした研が、液体を飲んで自分の中の毒を殺すと殺菌液を飲もうとすると、津軽継実を好きだった稲庭(柳楽優弥)までが「自分が悪い」と告白してしまう。

   人間のように悪意や感情の高ぶりが起こると、日ごろ物静かな研の皮膚から不気味な毒素(?)が発生する。研の声をラジオを通して聴いても体調を崩す人が出て警察沙汰になる。人間社会を喝破した寓話そのもので、結論が奈辺に導かれるのか見ものである。恐らく最後は「愛の力」となるのだろうが、さては後2回のお楽しみ。

(放送2017年6月10日22時30分~)

(黄蘭)

採点:1
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