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御茶ノ水はなぜ学生街になったの? 9頭身モデル生方ななえが謎解きぶらり散歩

   <TOKYOディープ!(NHK・BSプレミアム)>東京・御茶ノ水というと学生街のイメージで、実際に、大学のほかにも専門学校や予備校なども入れると、あたりには100近い学校があるそうです。フランス・パリのセーヌ川左岸に広がる大学地区カルチエ・ラタンになぞらえて、神田カルチエ・ラタンなんて呼ばれたりしますが、なぜ学校が集まってきたのでしょう。身長178センチ、9頭身の人気CMモデルの生方ななえさんが界隈をぶらり散歩しながら調べました。

   千代田区の学芸員・長谷川怜さんは生方さんをJR御茶ノ水駅近くの「湯島聖堂」に連れて行きます。「学問の町のきっかけになったのは、江戸時代中期に、ここで林羅山が儒学の塾を開いたことでした」と説明します。孔子を祀っている大成殿は落ち着いた黒い重厚な建物で、「なんか中国って感じ」(生方さん)

   その後、徳川幕府が旗本の子弟や藩士らを学ばせる「昌平坂学問所」に発展させ、明治時代になって、筑波大学とお茶ノ水女子大学の前身である東京師範学校と東京女子師範学校がここに建てられました。「当時は駿河台には大名の江戸屋敷だった広い空地がたくさんあって、学校を建てるのに好都合だったので集まってきたのです。学者や先生も近くに多く住んでいましたし・・・」(長谷川さん)

   なるほど、納得です。

明治大学地下にギロチン!?

   駿河台下に向かう坂の途中に建っているのが明治大学で、ここももとは旗本屋敷跡だったそうですが、いまは大学とは思えないタワービルになっています。校内にはおしゃれなカフェや17階からの眺望が自慢の学生食堂もあるのですが、きょうは知る人ぞ知る地下の博物館に向かいます。研究のために集められた30万点の文化財や資料が保管されていて、一部が展示されています。

   なかでも、ちょっとオドロオドロしい「刑事部門」を覗いてみましょうか。古くからの法律や刑罰に関する資料には、「捕者(とりもの)三道具」なんていうのもあります。犯罪者を生け捕りにする江戸時代の道具で、刺又、突棒はとげとげが飛び出していて、「痛そう」(生方さん)。ギロチン(レプリカ)が置かれたりしていて、年間7万人のマニアが見学に来るそうです。

   明治大には卒業生の作詞家・阿久悠さんの記念館もあって、ピンクレディーの「UFO」の歌詞原稿や使っていた辞書、手がけた楽曲のレコードジャケットなどが展示されています。やはり卒業生の漫画評論家・米沢嘉博図書館には14万冊の漫画本が保管されています。

   御茶ノ水は、また「楽器の街」でもあります。20軒の専門店が並んでいるのですが、これもなぜなのでしょう。ウクレレ専門店のオーナーによると、学生相手の中古道具屋が古くからあって、そこでは中古のトランペットやバイオリンも売られていたということです。戦後に駐留米兵が帰国するときに、そうした店に楽器を売り、それ目当ての客が集まってきたといいます。

   ギターなど弦楽器が多いのですが、左ききギター専門店があったり、50万円もする超高級ハーモニカを売っていたりします。

作家たちが館詰めになったホテルの上品

   生方さんは「山の上ホテル」に向かいます。ヒルトップの愛称で、川端康成、三島由紀夫、松本清張らの作家に愛されたホテルです。御茶ノ水や神田には出版社も多く、締め切りが迫った作家たちが館詰めにされたホテルでした。内装はアール・デコで統一されています。

「ここは池波正太郎さんがお使いになった部屋です」と総支配人が案内した401号室は、和風の畳の部屋に大きなダブルベッドが置かれていました。「先生たちは机や座椅子などその人の好みがあって、お泊りの時はお好みの仕様に変えました。でも、いまもどのお客様にもそのようにしております」

   生方さん「私にもですか・・・」

   総支配人「はい。承ります」

   いいですよねえ、本物の一流ホテルの上品というのは、建物の新しさやレストランの豪華さではなく、こうした心遣いなんですよね。泊ってみたくなりました。

   学生街は間もなく夏休み。ガランとした街は強い日差しに白く光り、のんびり脱力しているのですが、何か不思議なことが起こりそうな雰囲気もあって好きです。(2017年6月12日よる7時放送、19日あさ6時再放送)