藤井聡太四段『強さ』の秘密・・・劣勢でも度肝抜く奇手で局面ひっくり返し

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   中学生プロ棋士の藤井聡太四段(14)が公式戦28連勝と歴代最多記録に並んだ。なぜ強いのか。藤井は寄せから詰めへの終盤の読みの力にあるという。「連勝止め」を"期待"された澤田真吾六段との対局(2017年6月2日)の土壇場で見せた勝負手に、周囲は度肝を抜かれた。

   お互いに攻め手がつかめず、同じ手を繰り返す「千日手」が成立し、藤井は持ち時間を費やしミスを連発して追い詰められた。観戦記者が「連勝ストップ」の記事を準備しはじめた時、藤井が放った桂馬の一手が局面を変えた。澤田はこの手の対応を誤り、あとは藤井ペースの展開となり20連勝目をものにした。

   師匠の杉本昌隆七段は「相手が読んでいないハッとするような手を出して苦しい将棋をひっくり返す。天性の勝負師ですね」と驚く。

子どもの頃の「詰将棋」で養われた『読み』

   藤井の終盤の勝負強さは、幼少期に始めた詰将棋で培われた。詰将棋は王手の連続で相手の玉を詰めていく一種のパズルである。攻めの方は最も短い手順で玉を詰め、逆に王は最も長い手で逃げないといけない。相手を追い詰める道筋を読むトレーニングが、終盤での力に繋がった。藤井はこれまで1万以上の問題を解いてきて、師匠も勝てないほどの力をつけているという。

   藤井が小学4年生の時に弟子として引き受けた杉本は、最初に対決した時の様子を今もはっきり覚えている。「私が勝ったけど、なんかものすごく落ち込んだというか、この世の終わりみたいな感じでどんよりしていました。私からすると、負けて当たり前、ちょっと失礼じゃないかなと。その暗い根性があって負けず嫌いだった」

来週26日月曜に記録更新の29連勝

   21日の澤田との2度目の対局では、さらに強くなっていた。田中泉キャスターは「どこが勝敗の分かれ目だったのでしょうか」と、NHKの将棋解説をしている山崎隆之八段に聞いた。

   「中盤の、先の見通しがしにくい難所で一番弱い2枚の歩を使って、相手の攻撃の要、後方の要である一番強い飛車と、守りの要の金を封じ込めたんですね。(なぜこれをやるのか)この時は分からなかっのですが、20手後の終盤の入り口になってやっと意味がわかりました。

   澤田さんというすごい強敵を相手に、自分のペースで最後まで戦いきる。非常に強くなりましたね。とくに、中盤戦が進化したんじゃないかと思いました」

   29連勝をかけた第3期竜王戦決勝トーナメントは、26日に増田康宏四段と対局する。

クローズアップ現代+(2017年6月21日放送「14歳棋士・知られざる偉業への道~歴代最多28連勝・藤井聡太~」)

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