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「砂川啓介&大山のぶ代」厳しかった老老介護・・・先に死ぬわけにはいかない

   認知症を患っている妻の大山のぶ代さん(83)を支えていた俳優の砂川啓介さん(80)が先週11日(2017年7月)に亡くなった。大山さんは高齢者施設に残されたままになる。「おしどり」と言われた夫婦愛は、日本が直面する老老介護の厳しい現実を示してもいた。

   大山さんが認知症と診断されたのは5年前。記憶が薄れていく妻を、砂川さんは「先に僕が逝くわけにはいかないですからね、絶対に」といっていた。著書「娘になった妻、のぶ代へ」でも「これから先もずっと君の笑顔は俺が守っていくから」と書いたが、この「約束」を守ることはできなかった。

   砂川さんは尿管がんと診断され、自らも入院となって、やむなく大山さんを高齢者施設に入れた。その時、砂川さんは「妙にカミさんが愛おしくなってね。寂しいこともあるけど、愛っていうのかな、キザに言うと」「早く治して、妻を迎えに行きたい」と話していた。

   砂川さんの遺体と対面した大山さんは、「おとうさん」と声をかけ涙ぐんでいたという。その大山さんが自宅に戻ることはもうない。

2030年には3人に1人が高齢者

   砂川さんは「変わってしまったカミさんの姿と、どうにもならない現実を前に、いっそこのままペコを道連れに死んでしまった方が楽なのかもしれない、と考えた夜もあった」と、厳しい老々介護の現実を著書に記している。

司会の小倉智昭「倒れた時、おそらく奥さんのことしか考えなかったと思う。2030年になると、団塊の世代が80歳を超える。3人に1人が高齢者で、老老介護だらけになるんですよ」

   「ドラえもん世代」だという深澤真紀(コラムニスト)は

「ドラえもんの大山さんも、料理の大山さんも大好きだが、認知症と結びつかないんですよ。砂川さんの著書は、弱音を吐いて助け合っていくしかないというモデルケースですね」 菊川怜キャスター「ここまで追い詰められないといけないのかなあと。希望の光はないのかなと思ってしまいます」 小倉「みなさんのところにもやがて押し寄せてくる問題です」