2024年 4月 25日 (木)

北朝鮮のICBM発射実験に成功、ついに米大陸到達可能に? レッドライン越えたが打つ手なし

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   北朝鮮の中央テレビは29日(2017年7月)、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星14型』の2回目の発射実験が大成功だった」と、映像つきで報じた。安倍首相は今日(31日)未明、米のトランプ大統領と電話で会談し、北朝鮮への圧力を強めること、などで一致したと明らかにしたが、この問題、事実上打つ手はない。

   北は今回、28日午後11時42分という夜間に、中国国境に近い内陸の舞坪里(ムピョンリ)から発射した。ミサイルは約45分間飛行し、約1000キロ離れた北海道・奥尻島の北西150キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。

   公開された映像では、暗闇の中移動する運搬車や、発射台設置作業を傍らで見守る金正恩朝鮮労働党委員長の姿、夜空へ向かって炎を噴いていくミサイル、成功に笑顔で握手を交わす姿などがあった。

   金委員長は直後に「最近分別を失っているアメリカに、厳しい警告を送るためだ」「アメリカ本土全域が射程圏内にあることが立証された」との談話を出した。

   朝鮮中央TVによると、ミサイルはロフテッド軌道で高度3725キロに達したという。これは前回4日の時より900キロも高く、通常軌道だと6000~1万キロに達し、米本土と欧州までの到達を可能とする能力だという。

   今回の発射の意味を専門家は、「いつでも、どこからでも撃てる事を示したもの」とみる。夜間の発射は、偵察衛星の監視をくぐって、奇襲攻撃も可能とする。また、発射場所も、当初発射準備が進んでいるとされていた亀城(クソン)からははるかに離れていた。

   しかも、中国との国境に近い場所を選んだことは、もし米がことを構えた場合、中国を巻き込むことを示したかったとも見える。

「中国に失望」とトランプ大統領

   トランプ大統領は、発射から6時間後、「ミサイル発射は、北をさらに孤立させ、経済を弱体化させるものだ。アメリカは国の安全と同盟国の防衛のために必要なすべての措置をとる」との談話を発表。ツイッターでは、中国に対して「とても失望した。過去の頭の悪いアメリカの指導者たちは、貿易で年に何十億ドルも稼がせてきたが、中国は口先ばかりで、北には何もしていない」とこき下ろした。

   岸田外相によると、朝鮮半島沖合で昨日(30日)、日米共同訓練を行ったという。また米軍も昨日(30日)、ミサイル防衛の新システム『THAAD』の実験を行い、太平洋から発射された模擬ミサイルをカナダ上空で迎撃に成功したと発表した。しかし、北が今回のミサイルを実戦配備することは、防ぎようがない。

   加藤浩次「発射の理由の一つに『100日猶予』というのがある。どういうことか?」

   デイリーNKジャパン編集長の高英起氏は、「4月の米中首脳会談で、習近平主席が『100日間待ってくれ』と言った。その100日がもう過ぎている。中国は何もできないんだというメッセージだ」という。

   手嶋龍一「この時、トランプ大統領は、中国が対応しなければアメリカ単独でも対応すると言っている」

   100日の期限は15日で切れたが、その日からアメリカ政府は北と関係する中国の企業に対しての捜査や制裁に踏み切っている。今回の発射は、そうした動きにも「ミサイル開発はやめない」というメッセージとも見えると、高氏は言う。

   加藤「問題は、北がミサイルに核を搭載できるようになるのはいつか」

 

   高氏が「1年2年」と言うと、「えーっ」と驚きの声があがった。

   手嶋「国防総省も当初3年と言っていたのが、最近は1年と言い始めた。トランプ氏がはじめ言っていたレッドライン(6度目の核実験、ICBMの実験)にもうかかっているが、今度はラインの引き下げにかかっている」

   現実にはアメリカは大規模な軍事攻撃には動きにくい。

   加藤「しかし、やらないといけない?」

   結局は、「国際社会の結束が......」となったが、この問題への答え、誰も持っていない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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