2018年 7月 16日 (月)

ユダヤ人亡命を手助けした(?)指揮者の足跡追う 地上波で再放送を!
〈玉木宏 音楽サスペンス紀行 マエストロ・ヒデマロ 亡命オーケストラの謎〉(NHK BSプレミアム)

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   公爵・近衛篤麿の次男にして、大戦中の首相・近衛文麿の弟の秀磨は欧州で活躍した指揮者であった。枢軸国のドイツでベルリンフィルの指揮を執り、一見ナチスの協力者と見られたが、実は自身が組織したオケにユダヤ人楽団員を含め、スイス国境から密かに亡命させていたのではないかという謎を玉木宏が追うドキュメントだ。

   近衛家に残るサイン帳には秀磨が指揮したオケのメンバー名が綺羅星のごとく並ぶ。最後に秀磨が造ったオケは50人いたはずなのにサインは31人。作り手はここに目をつけ、足りない人間は秀磨が亡命させたのではないかと睨む。彼の足跡を追って欧州のあちこちを訪ねる。驚いたのは『戦場のピアニスト』で描かれたポーランドのピアニスト、シュピルマンの未亡人にも取材していることだ。

   杉原千畝の行為が有名になったが、秀磨もユダヤ人演奏家にシンパシーがあり、亡命の手助けをしたのではないかとする仮説(?)には説得力がある。クラクフではドイツ人オケメンバーを使ったのに、ワルシャワでは「劣等民族」と迫害されたポーランド人演奏家で公演を行っている。一時期彼が住んでいた田舎町のオーダーベルクで、秀磨は反ナチスの活動家と密かに会っていたこともわかる。

   だが、近衛の戦後は口にチャックをして生きたに等しいのだ。

   玉木が秀磨のことを知らなかったとは情けない。もっと勉強しろ、現代史を。BSだけでは勿体ない。NHKよ。地上波で再放送せよ。

(放送2017年7月29日20時~)

(黄蘭)

採点:2.5
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