新型ウイルス「ワナクライ」なす術なし!ネットにつながっているだけで感染

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   今春(2017年)、大規模感染が伝えられた「身代金ウイルス」が形を変え、世界中が新たな脅威にさらされている。「ワナクライ(WannaCry)」というウイルスで、パソコンをロックして「身代金を払え」というのは同じだが、添付書類を開かなくてもネットに繋がっているだけで感染する。

   5月、イギリス政府が運営する医療グループNHSが標的になった。47の医療機関でシステムがダウンし、診療や手術の中止で20万人の患者に影響が及んだ。病院は手作業でカルテなどの復旧をしているが、2か月経ったいまも元に戻っていない。

   事故を起こして封鎖したロシアのチェルノブイリ原発では、放射線測定機器が制御不能になり手動で計測をしている。インドでは港の積荷を管理するコンピューターがやられ、船が出航できず、船荷を積んだトラックが港周辺で立ち往生している。

   日本でもホンダ、JR東日本がやられた。ある自治体では1台のパソコンが感染したが、幸いなことに他のパソコンと繋がっていなかった。「もし繋がっていたら、市民生活が止まった」と職員は言う。全国展開する書店では、都内の店舗のパソコンから全国に広がり被害は100万円にもなった。

米情報機関が開発・・・ハッカーに盗まれ悪用

   「ワナクライ」はマイクロソフト社の基本ソフト「ウインドウズ」のプログラム上の脆弱性(バグ=ミス・壊れた部分)を突く。どこからきたのか。疑われているのはアメリカの情報機関、国家安全保障局(NSA)だ。NSAは世界中のパソコンに潜入して監視しているとされる。NSAがウインドウズのバグをもとに密かに開発した攻撃ツールを、ハッカー集団が盗み出してワナクライを作ったのではないかというのだ。真偽のほどはわからないが、マイクロソフト社は最初の感染報告の直後、「軍がミサイルを盗まれたに等しい失態だ」とNSAを非難する声明を出した。

   世界で2億人が利用しているLINE社はバグ発見に報奨金を出す制度を導入した。自社だけではチェックが追いつかず、社外のホワイトハッカー(正義のハッカー)を雇ってバグを減らそうというのだ。あるホワイトハッカーは2つの大きなバグを見つけて100万円の報酬を手にしたと話す。

総務省はホワイトハッカー養成

   総務省所管の情報通信研究機構はホワイトハッカー養成プログラムを始めた。1年をかけて情報セキュリティー技術を指導する世界でも類のないプログラムだ。この分野の人材不足は深刻で、昨年時点で約13万人が不足、2020年には20万人になるという。それだけサイバー攻撃が増えるという予測である。

   ロンドンの医者は「100%コンピューターに依存していたからなすすべがなかった」という。たしかに、スマホ、タブレットから車も家電もみなコンピューター100%だ。

NHKクローズアップ現代+(2017年8月3日放送「あなたのパソコンが危ない 追跡!謎の新型ウイルス」)

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