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京都市営バスが外国人の大型スーツケースに占拠される 地元の人が乗りにくい系統も

   京都市民はもちろん、観光客にとってもありがたい存在の京都市営の路線バス。それが今、外人観光客の持ち込む大型スーツケースに占拠され、「じゃまで降りられない」と市民から悲鳴の声が上がっている。

   その最新事情を原元真紀リポーターが取材した。

   市営バスを利用する外人観光客が急増しているのは、その安さと利便性。どこまで乗っても230円(小児120円)、さらに京都市内1日乗り放題の乗車券は500円(小児250円)。

   「タクシーは高いじゃない。バスなら安いし」と、大型スーツケースを持ち込み車内の通路に。市営バスは中ほどから乗り込み前から降りるタイプだが、市民は「スーツケースがじゃまになりイライラしたり焦ったり、降りるのが大変」という。

   市交通局の一原斗誉秀運輸係長は「持ち込める基本サイズは決まっているんですけど、実際のところスーツケースを持って乗って頂いているという状況で...」とお手上げ状態。

   市交通局では、外人観光客に市バスの路線案内を行っている『おもてなしコンシェルジュ』が荷物の一時預かりやホテルまでの宅配サービスの利用を促し、車内へのスーツケース持ち込みを防ごうとしているのだが、まったく効き目なし。

   中国から家族で来た女性観光客に取材すると、「京都は観光都市として広く理解されているので、スーツケースを持ち込むのはそれほど大げさなことではないと思います」と開き直られた。

おもな名所まわる206号系統には乗れない

   外人観光客で最も混むのは206号系統。京都駅を右回りにスタートすると、主要な神社仏閣や花街、大学などを通過し京都駅に戻る。

玉川徹(テレビ朝日解説委員)は「平成元年までの6年間、京都にいて206系によく乗っていました、こんなことはなかった。つい最近、京都に行きましたが地元の人は『206系は乗れない』状態と言っていましたね」

 

   一方、浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)は「観光で経済成長しようとウエルカムを言っているのに、そういったところへの投資がすごく少ない」と前置きしこう指摘する。

「とくに京都はたくさん来ることはわかっているのだからバスの中にケースの置き場をつくるとか、観光客専用の巡回バスを設けるとか何らかの対応をしないと市民生活に影響を及ぼすのは避けられない。まずその辺をきちっと整備するのとが大事だ」