48時間で映画を作っちゃう過酷な映画祭

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   フリーランスにとって気になる言葉、「〇〇さん、いま暇ですか?」

   ここは本音で「ハイ、もう暇で暇でしょうがないんですよ。何かお仕事の話ですか?」と返すべきか。でも、暇な人イコール、仕事が出来ない人と思われそうでイヤだし不安になってきてしまいます。それに「ハイ暇です!」と言ったところで、やる気の起きないカロリーが高くてギャラが少ない仕事を振られるのもイヤなもの。結局、「おかげさまでボチボチ暇しております。」という曖昧な返事をしています。先日も知り合いから「暇ですか?」ラインが送られてきました。お決まりの返答をしながら仕事を聞いてみると、48時間で映画を作るプロジェクトの脚本を担当してくれないかと言う。どう考えてもカロリー高くてギャラも安いけれど、それよりなりも楽しそう!そこですぐ引き受けることにしました。

   このプロジェクト、その名も「48時間フィルムプロジェクト」という、説明不要なぐらいにわかりやすいタイトルが付けられています。48時間以内に、脚本を作り撮影、そして編集までして完成品のショートフィルムを納品するというアメリカ生まれの映画コンペ。世界各地で開催されていて、最優秀賞作品はカンヌ映画祭で上映されるそうです。

   この映画コンペ、とってもユニークなルールの元に映画を制作していきます。まず、金曜の夜7時にキックオフイベントの会場で映画の「ジャンル」を制作チームがクジでひいていきます。ジャンルは、例えば「アクション」「戦争/反戦」「ホラー」「ロマンス」「ロードムービー」「コメディー」これに「SF」「サスペンス」「ファンタジー」「モキュメンタリー(架空のドキュメンタリー)」「スポーツ」「ウエスタン」などなど。これでどんな体裁の映画がその場で決まります。

眠らない、眠れないノリで

   さらに、キャラクター、小道具、台詞が割り当てられます。今回、私達は「SF」のジャンルを引き当てました。キャラクター名は「末影貫輝」、職業は「絵本作家」。使う小道具は「折り紙」、台詞は「それが東京だよ。」です。この条件を満たした作品を、金曜夜から日曜夜までに完成させるのです。映画祭の趣旨として、刺激的で眠らない、いや眠れないノリノリの週末を過ごそうぜ~!というものらしく、事前の脚本作成や撮影は禁止されています。

   勢いで参加してみたものの、かなり過酷な映画祭。今回、俳優陣にクジをひきにいってもらい、監督のアパートで脚本会議から始まりました。まさかのSF、ストーリーをどうするか・・・出前弁当に食らいつきながらウンウン唸り、コンビニ菓子をむさぼっては、ヒーヒー言って脚本を作ります。そうして明け方になって、なんとか完成!監督がそのままカット割りを考えていると俳優陣がやってきて、すぐさま撮影となりました。

   今回のチームには助監督もいなければ、衣装、メイクも当然なし。照明を兼用してくれるカメラ1人、音響効果1人という超少数パターン。撮影中も俳優陣が小道具や美術を作っていきます。当然、編集も監督が撮影後に自分1人でやり遂げるしかありません。海外の過去作品を見るとズラズラとスタッフ名がエンドロールに記載されていましたが、それは少数でいつも徹夜仕事に慣れている日本人の底力を見せるしかないのです。そうしてなんとか48時間以内に我がチームは納品することができました。なかには納品できなかったチームもいるようです。

   撮影後、印象的なコトがありました。監督がなにやら書類をゴソゴソ。出演者、スタッフ全員には、作品の権利を全て映画祭にゆだねる趣旨の許諾サイン、撮影場所を提供してくれた人にもサインをもらっていました。急ピッチで徹夜仕事は日本式だけど、ここはアメリカ式なんだなと驚いたものでした。さて、我らの作品はどうなりますやら・・・。

モジョっこ

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