「ポテチ」ロスもう大丈夫? 北海道で新じゃが収穫スタート・・・今年は豊作
去年8月(2016年)に北海道が次々と大雨に襲われ、じゃがいも生産が大打撃を受けてポテトチップスの生産・販売も一部停止になったが、今秋はもう大丈夫なのだろうか。佐々木彩アナが北海道のじゃがいも農家やカルビーの千歳工場を取材した。
メイクイーンの収穫は先月中旬(2017年8月)から始まっていて、帯広のじゃがいも農家の山田幸司さんは「まずまずのできです」と話す。「今年は春先から適度に雨が降るなど天候は良かったので、いつもの年より収量はいいですね。ただ、小さいのと大きいのとバラつきがあります。種いもが去年の水害のダメージを受けているからかもしれません」
農研機構北海道農業研究センターの森元幸さんも「今年は豊作です」と太鼓判を押す。ポテトチップが店頭から消える心配はもうなくなったのか。メーカーや専門家は別の心配をしていた。
原料不足してもすぐ輸入できない厳密チェック
カルビー千歳工場は毎年7月から翌年5月までは北海道産、6月は他県産のじゃがいもをポテトチップスの原料として使っているが、去年は深刻な原料不足に陥った。「いつもは使わない半分の大きさのものまで使いました」(ポテトチップス製造課・首藤千鶴課長)。それでも足りなくなって、今年4月に出荷を停止しなければならなかった。2カ月後に九州や関東でじゃがいもの収穫が始まり出荷は再開したが、これからもじゃがいも不足は心配されている。
森さん「じゃがいもは収穫率が低いんです。イネは1粒から100倍の収穫ができますが、じゃがいもは1つの種いもから10倍しかとれません」
井ノ原快彦キャスター「じゃがいもなんて土に植えればどんどんできるものだと思ってしまいますけどねえ」
収穫量の多い品種開発も進められているが、じゃがいもは種から新品種になるまで11年、それを農家が生産して集荷するまで3年の計14年もかかる。不作だからといって、翌年からすぐ新しい品種に切り替えるわけにはいかないのだ。また、じゃがいもは病害虫に弱いので輸入チェックも厳しい。現在、海外産の生のじゃがいもはアメリカの病害虫が発生していない州からのものに限られていて、それもポテトチップの加工用と決められている。
柳澤秀夫キャスター「国内の生産を確保しなくちゃいけないということだよね。国も来年度予算で30億円の支援を概算要求してます。やらないと、ポテトチップス食べられなくなっちゃうもの」
ちなみに、今年あたりから人気になりそうなじゃがいもの品種は「ながさき黄金」だそうだ。「インカのめざめをさらに品種改良したもので、糖度が高く甘いんです」(佐々木アナ)
カズキ