2024年 4月 24日 (水)

体幹トレーニングが桐生を変えた!10秒の壁を破った秘訣とは

初めての方ご注目!プロミスなら最短1時間融資でお急ぎでも大丈夫!

   陸上競技100メートルで桐生祥秀選手が日本人初の9秒台を達成した。9秒98。「やっと世界のスタートラインに立った」という桐生のこれまでを検証すると、体幹トレーニングの強化が効いていた。フィジカルが弱いと言われてきた日本人のスポーツ像が変わるかもしれない。

   桐生は滋賀県彦根市の小学生時代、サッカーのゴールキーパーをやっていた。コーチだった峯浩太郎さんは「出足が速く、守備範囲の広さが際立っていた」と振り返る。NHKでは触れなかったが、民放の番組では「足が速すぎて危ないのでゴールキーパーをさせた」という話もあるほどだ。

   中学からは陸上部。学校近くの坂で上り下りの走りを繰り返した。そこは今「桐生坂」とよばれるそうだ。「まじめにコツコツやっていました」と、顧問だった億田明彦さんは言う。高校3年で100メートル10秒01を出して、一躍全国に名前を知られる。9秒台が夢でなく、現実味を帯びた。桐生自身が「目標として考えたい」と話した。

   しかし、以後2年間は、記録が伸びなかった。日本選手権で10秒31だったときは男泣きして、悔しさをあらわにした。レースの中盤以降に体が反る癖がぬけず、気負うあまりに上体のバランスがくずれていた。ストライド(歩幅)、ピッチ(1秒間の回転数)ともに以前を下回った。

ハンマー投げの室伏広治さんが指導

   そこで取り入れたのが体幹回りのトレーニングだ。ハンマー投げの五輪金メダリスト、室伏広治さんの指導を仰いだ。桐生は「体の芯、見ためにはわからない部分をきたえた」と言い、室伏さんは「肉体改造、動きの改造で持ち味を出せるように取り組んだ」と話す。

   それでも、自己ベスト更新は容易ではなかった。世界選手権の国内選考レースは4位で、代表になれなかった。桐生は「一回やる気がなくなった。練習をやめたいと思った」という。

   今年は「ただがむしゃらに走ってみたら、一人で走るうちに原点の感覚を取り戻した」

   「走る楽しさをもう一度味わいたい」と、気づけば50メートルダッシュを70回繰り返していた。そして、9日(2017年9月)の日本学生対校選手権大会に、左足の違和感に迷いながらも出場し、「反対に肩の力が抜けて」9秒台で走り切った。

   五輪に3回出場した為末大さんは「ストライドとピッチが良くなった。彼ぐらいになると、参考になる人がいない。自分のスタイルを貫いたことがよかった」「トレーニングの成果が出るまでには1年ぐらいかかり、その中で一人で戦った」と評価する。

   桐生はいま1メートル76センチ、70キロ。ストライドは2・11メートル、ピッチは4.75。100メートルを47.3歩で走る。9秒98を8月の世界陸上にあてはめると、4位に入るタイムだ。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中