小さな河川、ため池がリスクになった九州北部豪雨

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   今年、全国各地で記録的な大雨が多発し、大きな被害をもたらしているそうだ。数年に一度の大雨の際に気象庁が発表する「記録的短時間大雨情報」の回数は、すでに90回を超えているという。

 

   こうした大雨が降る理由として、日本周辺の海面水温の上昇を多くの専門家が指摘している。 海面から大量の水蒸気が供給されつづけ、積乱雲が次々と発生し、同じ場所に大量の雨を降らせるという。

 

   37人が死亡した九州北部豪雨でも積乱雲が次々とかかり続けて、24時間に19回もの記録的短時間大雨情報が発表され、1時間の雨量は最大129.5ミリに達したそうだ。

 

   この豪雨では、中小河川やため池のリスクといった、これまで比較的重要視されていなかったリスクによって、甚大な被害が起きたことがわかってきたという。

 

   この地域では長年、九州最大の一級河川、筑後川による水害が心配されてきたが、今回、筑後川は氾濫しなかったそうだ。しかし、筑後川の26の支流が一斉にあふれてしまったという。短時間に記録的な大雨が降ることにより、どこにでもあるような穏やかな小川が豹変し、100以上の集落に襲いかかった。

 

   「こうした事態を事前に想定し、対策するのはむずかしいんでしょうか」(武田真一キャスター)

 

   「リスクがあることがあることはわかっていますが、やはり氾濫した場合に大きな被害がでる大河川や比較的、大きな中小河川の対策が優先される。今回のような小河川は非常に数多く、マンパワーや財政的に手が回らないのが実態だと思います」(クローズアップ現代のスタジオゲストで河川の防災対策にくわしいという池内幸司・東京大学大学院教授)

 

   また、ため池は45が決壊するなどしたそうだ。福岡県朝倉市山田地区では、決壊したため池から押し寄せた濁流によって、3人の命が奪われたという。ため池は全国に20万もあり、この10年で300以上のため池が決壊しているそうだ。

 

   「記録的な大雨を完全に予測するのはむずかしいなかで、私たちは命を守るためにどう心構えすればいいんでしょうか」(武田)

身に回りのリスク点検を

 

   スタジオゲストの池内さんは、最悪の事態を想定して「身の回りのリスクを洗い出」し、避難訓練などをすべきだという。

 

   「ハザードマップを見たり、川や周辺の地形を見る。具体的な災害が発生した場合を想定して、どう避難行動を取るのかを考える。できれば、家族や周辺の方々と話し合う。さらに、実際に避難行動を取ってみる。そういったことを、年に一度でもいいからやることが重要だと思います。具体的な行動を取ることで、いざというときに的確な対応ができると考えます」(池内)

   クローズアップ現代+(2017年9月12日放送「多発する"記録的大雨(キロクアメ"新たなリスク」)

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