2024年 4月 24日 (水)

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週刊新潮らしいノンフィクション出色!出所した幼児性愛者「私はまたやってしまう」

   週刊文春に「好きな芸人 嫌いな芸人」というのがある。興味深いのは、「好きな」の順位は、明石家さんま、タモリ、ダウンタウンで、4位にビートたけしがいる。「嫌い」はダウンタウン、明石家さんま、とんねるず、たけしが6位、タモリは23位である。

   タモリというのは、好きな人のほうがかなり多いということのようだ。私と同年、昭和20年生まれで、吉永小百合も同じだ。私は、タモリの若いころの芸は好きだが、最近の知ったかぶりじいちゃんはあまり買わない。

   たけしが恋愛小説を書いたそうだ。話題作りがうまいというか、商売上手な芸人だ。

   阿川佐和子の連載対談。息子がレイプ疑惑で話題になった女優の高畑淳子を招いて「ガンガン聞いた」というから読んでみた。何のことはない、阿川が自分で「ガンガン聞いてます」といっているだけだ。聞くべきことは何も聞いていない。羊頭狗肉対談というべきであろう。

   幼児性愛者というのがいる。私はそうではない。ホモっけは少しあるかもしれないが。週刊新潮は04年に知人の10歳幼児を千葉から沖縄まで連れまわし、未成年者誘拐と恐喝で2年6か月の有罪判決を受けた植木義和(60)の生々しいインタビューを掲載している。この事件は、連れまわされた少女が、「家に帰りたくない」「沖縄に行こうと容疑者を誘った」と話していることが明るみに出て、大きくメディアに取り上げられた。

   植木はその間、少女に「美人局的行為」を行わせたり、「わいせつ行為を30数回した」(植木)といっているが、少女への人権も考慮してか、猥褻行為は法律上なんら罪に問われることはなかった。

   植木は出所後、老人保健センターの介護職員やゆうパックの集荷作業などを転々とした。だが、近くに小学校があると女児に関心が向いた。08年から、世田谷区の小学校で学童保育の職員をサポートする仕事に就くと、<「その学童で、私は既に2回『やって』いるんです。小学2年生の女子に、下駄箱で自分の下半身を露出したのが1回。それと、その子と、小学1年生の女の子ふたりを校庭の朝礼台の下に連れていって、自分の股間を触らせたのがもう1回。両方とも私の股間は屹立していました」

   その後、股間を露出した女の子と遭遇し、声をかけて家族が不在の家の玄関で、「女の子が私の股間にファブリーズをかけて......」。なぜファブリーズなのだろうか。

   それはさておき、植木は、家をゴミだらけにしてその中で暮らしているという。着ている物もしみだらけ。それはこうしていれば「女の子たちに懐かれることもない」と考えたからだという。このままではだめだと、警察に少女ポルノや動画を持ち込み、逮捕してほしい、受刑者に施されるという「性犯罪者処遇プログラム」を受けさせてほしいと訴えたが、警察は何もしなかったという。

   植木は「じゃないと、確実に私はやりますからね」と再犯予告を週刊新潮に漏らしている。実名、顔写真入りである。住まいは小田急小田原線の祖師ヶ谷大蔵駅の近くのようだ。

   久しぶりに呆然とする記事を読んだ。こうした嗜好の人間は再犯率が高いそうだ。植木は自分をさらけ出して警告している。こういう人間は自らを律することが出来ない。欲望のままに餌食を探して徘徊する。週刊新潮らしいいいノンフィクションを読ませてもらった。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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