2018年 5月 22日 (火)

働く人・環境に優しくない企業には投資せず!「世界最大ファンド」日本に厳しい目

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   環境、社会、ガバナンスを重視するESG投資の投資家たちが、日本企業への監視を強めている。ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字で、環境問題や労働者の人権を投資基準に置き、企業がこうした問題に積極的かどうかで融資を引き揚げたり、追加したりする。投資額はここ5年で2倍に増加して2500兆円、世界の全投資額の4分の1を占めるまで膨らんでいる。

   投資額のうち欧州が52.6%と半分を占め、アメリカ21.6%、日本はわずか3.4%に過ぎない。経済アナリストのジョセフ・クラフト氏は「欧米に比べて日本企業の意識が低かったんです。金融機関も市場が小さくニッチ(隙間)ビジネスとして取り上げなかった。この20年間はデフレで、日本のリスク資金の価値が上がらなかった」と解説した。

いち早く対応した花王

   最近はESG投資を日本企業も意識するようになってきた。海外投資家から労働者の人権、環境問題、企業ガバナンスにどう取り組んでいるか、説明を求められるケースが増えているからだ。

   大手化学メーカーの花王も対応を急いでいる。石鹸や洗剤の原料のパーム油を東南アジアで調達しているが、生産現場で労働者を酷使したり、子どもを働かせている企業名を国際NGOが公表したからだ。日本企業の関与は指摘されなかったが、危機感を持った花王は実地調査を行った。

   東京オリンピック・パラリンピックの会場となる新国立競技場についても、森林破壊が進むマレーシア・サラワク州産の木材を使用していることが問題視されている。NHKが現地を取材すると、熱帯雨林の7割が破壊され、先住民が伐採業者から暴力で森を奪われ、生活を脅かされている実態が明らかになった。

社会とともに企業は成長

   企業はESG投資に代表される持続可能な社会への取り組みをどう進めればいいのか。サントリーホールディングの新浪剛史社長は次のように指摘した。「長期にわたり社会とともに企業が成長していく。このコミットメントはイコール企業の理念であるわけで、この理念をしっかり貫いてやっていくのがトップの役割です。トップが旗を振って最終的にリターンを得ていく」

   会社は株主のためにあるなどというは昔の話。こうした潮流をしっかり捉え、企業活動に取り組まないとリターンも得られなくなる。

NHKクローズアップ現代+(2017年9月27日放送「2500兆円超え!?世界で急拡大"ESG投資"とは」)

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