ごく普通の声に人間の怖さ 時代感じさせるレポーター
〈30年目の真実~東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯・宮崎勤の肉声〉(フジテレビ系)

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   この事件で筆者が記憶しているのは、犯人の自宅の夥しいビデオテープがある部屋を、規制線も張らずにテレビメディアに撮り放題にした警察当局の対応と、後にミニコミ紙の主筆であった宮崎の父親が自殺した顛末である。全てが規格外というか常識外というか、あまりに猟奇的な事件だったために、かえって恐怖を覚えなかった。今回の宮崎の肉声を聞いて、その、ごく普通の男の声であり喋り方で、逆に人間の怖さを思い知ったのである。知人の音楽家が宮崎勤とそっくりな容貌で、眼鏡といい、ちょっと猫背の歩き方といい、この世に2人はいるという似た顔なので、当時から関心が深かった。
   スクープの内容はドラマ化されている。刑事(金子ノブアキ)と犯人・宮崎勤との取調室でのやりとりは、恐らく当時の言葉通りなのだろうが、金子のサラリーマン然とした容姿と、怒鳴りつける喋り方との間に少し違和感はあった。可視化云々のない頃の話であるから、この通りに威圧的な取り調べであったのかもしれない。死刑も執行され、時の彼方の事件とはいえ、肉声スクープには驚く。
   そっくりなぞったレポーターの場面が時代を感じさせた。当時のスターレポーター、東海林のり子が出てきた。もっさりしたオバサンファッションで、彼女は喜怒哀楽を普通に出す人だったので目立っていた。秋元才加が扮したレポーターは、当時のVTRで研究したそうだが、時代の感触の違いは如何ともしがたい。
(放送2017年10月7日21時~)

(黄蘭)

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