2024年 3月 29日 (金)

うなぎ屋でつい「竹」を注文してしまうのはなぜか?ノーベル賞学者が目からウロコの解説

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   最近の経済学は数式がやたらに登場してまったくわかりにくいのだが、ノーベル賞を受賞したシカゴ大学のリチャード・セイラー教授の研究のキッカケは相田みつの言葉「つまづいたっていいじゃないか、にんげんだもの」だったという。が大好きだという。「人間は合理的なはずなのに、実際は衝動買いやギャンブルをする」など不合理な行動に出る。セイラー教授はこれを分析する画期的アイデアを見出したことで、世界の経済学に革命を起こしたと評価されている。

   教授は2009年に東京でたまたま相田みつを美術館に寄って、すっかり魅了された。「40年間に論文をずいぶん読んだけれど、現実の人間とかけ離れていた」と気づき、「おかしな人間行動」を研究することにした。

   経済学と心理学を組み合わせは、たとえばうなぎ屋に入り、懐具合を考えれば松竹梅で一番安い「梅」を選ぶところだが、半分以上の人が「竹」にする。極端回避性という行動だ。メニューで最も高い「松」が目に飛び込むことで、「竹」を安く感じる面もある。これをアンカリング効果という。教授はそこに「にんげんだもの」を見る。

   「人間ておもしろい。人間らしさがさまざまに経済に影響する。これを体系的に組み込むことを研究してきました」とセイラー教授は話す。大阪大学の大竹文雄教授は「人間のバイアス・特性を見つける行動経済学です。人の気持ちを後押しします」と解説する。

相田みつを「にんげんだもの」がヒント

   この経済学と心理学の組み合わせはこんなところに活用されている。テレビ通販番組で「このテレビに大満足です」と強調して思わず買いたくさせるテクニックを利用可能性ヒューリスティックとよび、自分で吟味せずにわかりやすい情報にとびつく購買心理だ。

   「1時間以内なら古いテレビを下取り5万円」と実質値引きをうたうのは、お買い得感をより強めるアンカリング効果。「支払いは2か月後で結構です」と、負担を先延ばしするのを現在バイアスという。「気に入らなければ返品無料」とアピールすることも忘れない。品物が届くと愛着がわき、これを保有効果という。

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