2018年 5月 26日 (土)

高木美帆が悲願の銀メダル 原大智は無心の勝利?

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   高木美帆がとうとうやった。スピードスケート1500メートルで女子では最高の銀メダルだ。相手は世界記録保持者の米のH・ベルフスマ。中盤のせめぎ合いから最後は、勢いの落ちた相手をぶっちぎった。さすがに涙が溢れていた。しかし、トップとの差がコンマ2秒とわかると、「悔しい」と一変。これが美帆だ。

   8年前のバンクーバー五輪。史上最年少の五輪代表の15歳だった。天才と言われて臨んだ初の五輪だったが、結果は1000メートルでは最下位、1500メートルでは23位と無残だった。そして4年後のソチ。代表に選ばれたのは2つ違いの姉菜那で、美帆は落選した。

「姉菜那はカメのようにコツコツ、妹美帆はウサギ」

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   コーチは、「姉はカメのようにコツコツ、妹はウサギ」と違いを言う。落選で憮然とする美帆の表情を、テレビは意地悪くつかまえていた。美帆は体の改造から取り組んだ。そして昨年、W杯では1500メートルで4戦全勝。女王、小平奈緒にも勝った。その上で臨んだ平昌(ピョンチャン)だ。それが涙の訳だった。

   小倉智昭「ソチの落選から、彼女のスケート人生はガラリと変わりました」

   笠井信輔「W杯全勝から、金メダルの期待もあった」

   小倉「相手がベルフスマじゃなくて、(金メダルの)イレーン・ビュストだったら、結果は違ったかもしれない」

   確かに、ソチ五輪選考会でのタイムと比べると、今回の1分54秒55は、5秒以上も速い。

   で、当の高木は、「リングを一周している間に、コンマ3秒早ければ勝っていたのにと、悔しさがこみ上げてきた」と言っていた。本当に小倉の言うとおりだったかもしれない。

   今回美帆は、姉の菜那とパシュートにも出る。これは金メダルの可能性が高いといわれている。

27歳の若さで急逝したコーチに捧げるメダル

   もう1人のメダリストは、原大智。彼は日本選手の中では、W杯などでの成績では3番手だった。つまり期待も3番手。これが良かったのかもしれない。男子モーグルに初のメダルをもたらした。

   期待の堀島行真選手(20)らが準決勝で敗退。たった1人で決勝に臨んだのだが、2度目のスタート前でも全く緊張が感じられない。テレビカメラに向かって明るくポーズを取っていた。

   そしてスタート。エッジのキレが素晴らしい。スキーが浮かない。舐めるように雪面をいく。最初のエアは「コーク720」、着地しても乱れがない。2度目が「バックフリップ」で全く危なげない。タイムは24秒90だった。ゴールではさすがに祈るように待った。出た得点が82.19、銅メダルが確定。これが日本のメダル第1号だった。

   モーグルの採点は、スピード、エア、ターンで出る。原選手の場合、順に3位、5位、2位で、ターンが圧倒的に優れていた。ターンは配点では6割を占める。彼のスキーは雪面を舐める。重心がぶれない。頭が動かない。

   会見も明るい。「すごく楽しかったです。滑りたくて、滑りたくて、全くミスる気なかった。嬉しかったです」

   メダルは5年前に亡くなった平子剛コーチに捧げたいという。原選手を小学生から指導してきたが、心筋梗塞で27歳の若さで急逝した。棺を前に「先生、絶対にオリンピックに出ます」と誓ったのだという。そして昨日、「やりましたよ。銅メダルですけど」と報告していた。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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