2018年 9月 21日 (金)

<海月姫>(フジテレビ系)
芳根京子すっぴんめがねのオタ女子ぴったり!元気もらえる開き直り「好きなものは好き」

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   主に泣いてます、タラレバ娘と来て、連ドラ原作としてのポテンシャルの高さが知られつつある東村アキコ作品の中でも、ダントツに奇抜でハッピーなのがこのドラマです。

   同じアラサー女子の奮闘記ながら、「若いころはモテてたはずなのに最近モテない私」なんて、タラレバ女子の嘆きが生ぬるく感じる。海月姫の主人公一座は、すっぴんジャージで趣味に生きること四半世紀。ニートのオタクと世間からは馬鹿にされると分かっているから、内に内にとひきこもる。同じ境遇のオタ女子で、それぞれのオタ活に勤しむ日々が何より幸せである。

   そんな彼女たちが、大事な居場所を守るために立ち上がる。しかし、立ち上がろうとしてはぺちゃっと転び、馬鹿にされてはしゅんとしぼみ、それでもけなげに立ち上がる。誇張に誇張を重ねたキャラクターのコメディエンヌっぷりも勿論だけれど、しっかり「好きなものは好き!」と声を上げる姿には、じんわり元気をもらえる。

装うほどに女性に近づく「瀬戸康史」奇跡の女装

   なにより、キャストの振り切り具合が素晴らしい。主役を張る芳根京子の透明感はさすが朝ドラ女優で、すっぴんめがねで黒髪おさげがとにかく似合う。実はこの役、映画版のときは「あまちゃん」直後の、のんが演じた。どれだけ透明感が重要な役どころなのかがお分かりいただけることだろう。

   前髪を目が隠れるまで垂らし、背中を丸め、とにかく早口に喋り倒すシーンの多い松井玲奈と内田理央も、瞳がいっさい見えない髪型というディスアドバンテージの中で善戦が光る。「ちょっとヤバい」くらいのテンションで全身を使って叫ぶ、回る、ひっくり返すの大立ち回り。そして、東村作品との相性という点でいえば、今回も期待以上の憑依っぷりを見せているのが安達祐実だ。

   奇跡のアラサーこと瀬戸康史の女装のクオリティも相まって、珍しく「キャストにめぐまれた」と原作ファンが涙ぐむ仕上がりとなっている。映画版で本気の女装男子に挑んだ菅田将暉も、NHKの連ドラでイマドキ女子を演じた志尊淳も勿論可愛かった。しかし、瀬戸の圧倒的クオリティは、大トリにふさわしい出来。肌といい、ゴツゴツしていない頬といい、ほかの2人が装うほどにドラァグクイーンじみてくるのに対し、瀬戸だけは装うほど女子に近づくと言うミラクルを起こしている。

原作と微妙に違う設定も見どころか

   原作とは微妙に設定をいじっている点も良い効果を生んでいる。原作では、堅物で真面目が取り柄の兄とちゃらんぽらんの弟という設定だった二人を、ちゃらんぽらんに見えるが切れ者の兄と、愚直で真面目で家族思いの弟という関係にリライトしたことで、弟の堅物さがより愛らしく、兄のちゃらんぽらんさがより「わざとやっている」ように見えている。

   待ってるだけじゃダメなんだ!動け!!!というメッセージの強さはタラレバ娘とおなじなのだけれど、「売れ残っちゃう」「世間的から未婚のおばさんと指をさされる」という恐怖感がモチベーションの奥底にあったタラレバ娘に対し、「好きなものが好きで何が悪い!」「自分の場所は自分で守る」という強さ、前向きさが根底にある分、海月姫に悲壮感はない。現実にはこんなことがないとわかっていても「こうあってほしい」と素直に思える。

   と、ここまで海月姫の良さを語ってきたものの、実を言うとつぎに連ドラ化してほしいと思っているのは東山アキコが連載中の「美食探偵」です。1話完結のサスペンスで、可愛い女の子と偏屈探偵という構図が映えるのは、ガリレオシリーズで実証済み。なおかつ「美食探偵」をうたうだけあり、毎回おいしそうなお食事シーンがはさまれるので、「食べる女の子」も堪能できるという仕組みになっている。誰か、大至急、テレビ局の人に伝えて。主役は山本舞香ちゃんがいいと思っています。(ばんぶぅ)

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