2018年 11月 18日 (日)

退職したのに毎日車で仕事に行ってしまう... 認知症本人の行動に隠された真実は

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   きょう12日(2018年3月)のテーマは「認知症」だ。4年前に認知症と診断された福田人志さん(55)をスタジオに招き、当事者の声を聞いた。

   福田さんが地元・佐世保市で主催する、認知症の本人や家族らが集まる会「峠の茶屋」では、皆明るく「認知症あるある」を語り合ったり、家族には言えない悩みを打ち明けたりしている。

   参加者「同じようなことを言われるから話が合う」「『発病時はこんなことがあったよね』と言ったら『うん、そうそう』となる。通じ合えるものがある」

暑い日でも重ね着...「不安」が原因かも

   有働由美子キャスター「認知症の方同士が話すのは医療の面から見てもいいことですか」

   認知症専門医の松本一生さん「当然効果があります。認知症はなってしまったら終わりというイメージがあるけど、なってからが勝負の病気。辛い気持ちや絶望感、不安を一人で抱え込まず、同じ体験を持っている人たちが気持ちを共有することがとても大事な支えになります。初期の段階で安心できると悪化も防げます」

   福田さんは週1回、佐世保市のデイサービス施設にボランティアとして出向いている。自分ではなかなか思いを語れない認知症の人の本音を伝えるためだ。

   利用者の松田正則さんは、季節を問わず大量に重ね着していた。汗をかいているのを見て職員が服を脱がそうとしても、松田さんは脱ごうとしなかった。

   実は福田さんも過去に同じ行動をしていた。「寒いというよりは不安なんですよね。温まった方が不安な気持ちがなくなるような気がして。松田さんも不安なんじゃないかな」

   無理に脱がせるのをやめ、「脱がなくても大丈夫」と言って安心を与えると、松田さんの重ね着は自然になくなった。

認知症と診断された人向けの冊子が完成

   認知症が進行して本人と話せない、または近くに代弁してくれる人がいない場合はどうすべきか。

   和歌山・御坊市の介護福祉課には、家族や介護事業所の職員から認知症の相談が寄せられる。副主任の谷口泰之さんは、現場をたずねて解決策を一緒に探っている。

   元大工の岸榮一さん(84)は、すでに引退しているのに、毎朝「仕事に行く」と言ってトラックで出かけていた。家族は運転をやめさせたかったが、止めても応じず、どうにも解決できなかった。

   相談を受けた谷口さんが一緒にトラックに乗って付いていくと、到着したのはかつて岸さんが仕事場として使っていた倉庫だった。ここで毎日一人で座って夕方まで過ごしていたのだ。

   介護福祉課は近所のデイサービスの施設に通うよう提案。施設では、岸さんにいすと看板作りを依頼した。大工仕事で活躍することで、岸さんが一人で運転して倉庫に行くことはなくなった。

   谷口さん「倉庫に入っていく岸さんは生き生きしている。すごく笑顔が素敵だなと思います。いつもよりよくしゃべってますしね。本人の声を聞いて何をしたいか考え、一緒に体験してみることです」

   3月(2018年)中には、認知症と診断された直後の人に向けた冊子「本人にとってのよりよい暮らしガイド」が全国の市町村に配布される予定だ。「一日も早く、スタートを切ろう」などの心構えや、認知症の先輩方からの「できないことは割り切ろう」といったアドバイスが掲載されている。

文   ピコ花子
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