2018年 11月 14日 (水)

適役だった市原隼人の植木職人―地味で真面目なタダの人を主役に置いた新鮮さ
<明日の君がもっと好き 最終回>(テレビ朝日系)

印刷

   さすが手練れの井沢満の脚本。性的マイノリティを複数登場させて、複雑な4人の男女の恋愛談義を語った最終回。植木職人のシャイな松尾亮(市原隼人)は、世話になった社長の丹野文彦(柳葉敏郎)が娘の香と結婚させたがっているのを知り、兄妹のように感じているにもかかわらず結婚を決める。だが、香の心は男で、自分を「僕」と呼び、一緒になってもセックスは出来ないという。

   色々あって、亮は心密かに愛し続けてきた社長秘書の里川茜(伊藤歩)を追い、恋愛下手で一生独身と諦めてマンションを購入した茜を最後に抱きしめる。他にしたたかな茜の妹(志田未来)や祖母(三田佳子)、優しい雇い主の文彦など、様々な人間模様が描かれてきた。地味で真面目な市原隼人の植木職人ぶりが好ましく、今時の要領よく仕立てのいいスーツを着込んだ主人公ではなく、どこか日陰に育つ野の草のようなタダの人を主役に置いたところが新鮮だった。市原の上目遣いが適役で、ナイトドラマにふさわしい。

   それにしても主要な舞台のガールズバーとは、酒に縁のない筆者の知らない世界。こんな場所で金と時間を無駄遣いする人種の気が知れないが、男か女かわからない人の内面を会話で綴るには格好の舞台なのであろう。NHKの「弟の夫」といい、本作といい、見かけの性と異なる性癖の男女がうごめく現代は、ドラマの素材も多様ではあるが、純文学の世界と異なり映像では中々傑作はできにくい。(放送2018年3月10日23時20分~)

   黄蘭

採点:0.5

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中