2024年 3月 19日 (火)

「北の桜守」吉永小百合に泣いた!またまた凡庸な映画・・・作品にも監督にも家族にも恵まれなかった悲劇の女優73年

   吉永小百合の「北の桜守」(滝田洋二郎監督)を見て泣いた。作品に感動して泣いたのではない。映画は、樺太で終戦を迎えた小百合たち一家が、ソ連軍の侵攻に追われて命からがら北海道・網走へとたどり着き、長男と2人で戦後を生きていくという物語である。ソ連軍に怯える彼女たちの状況は劇中劇で暗示されるが、残念ながら、あの時代の恐怖と悲劇を描くことに成功していない、凡庸な映画である。

   私は、映画を見ながら、彼女の73年(私と同じ昭和20年生まれ)の幸薄かった人生を思って涙を流したのだ。今度の作品は彼女の120作目の映画だが、小百合ほど作品に恵まれず、監督に恵まれず、父母にも、恋人にも、亭主にも恵まれなかった女優は珍しいと思う。

   いまだに彼女の代表作は「キューポラのある街」(昭和37年公開・浦山桐郎監督)しかなく、もう1本挙げるとすれば「夢千代日記」(昭和56年)だろうが、これはNHKのテレビドラマである(映画化したが失敗)。

   私のような熱烈サユリストたちも小百合も、もうすぐ後期高齢者になる。いまだアイドルから脱することができない「悲劇の女優」の姿は、戦後の日本がたどってきた「大人になれない国」と二重写しになり、なおさら哀れを誘うのである。

西部邁「自裁死」に第三者の幇助?不自由だった手に頑丈なロープ

   思想家・西部邁(享年78)が自裁死して2か月近くたつが、彼の自死をほう助した人物がいるとして、警視庁捜査一課が極秘調査をしていると、週刊新潮が報じている。現場は東急東横線田園調布駅から近い多摩川河川敷の川べり。西部氏は末梢神経痛で手が不自由だったのに、遺体は直径3センチぐらいのワイヤーのような頑丈なロープにつながれ、流されないようになっていたというのである。彼には長男と長女がいた。彼らではなく、遺族以外の第三者が手伝ったのではないかと、警察は見ているという。

   「死に方は生き方だ」と常々いっていた西部氏だが、死に方にも完ぺきを求めたようだ。

   すい臓がんは「がんの王様」というらしい。すい臓がんが偉いのではなく、発見しにくく、発見したときは手遅れなことが多いため、10年生存率が5.1%しかないからだ。ちなみに、胃がんと大腸がんは7割近い。坂東三津五郎、千代の富士、葉室麟、星野仙一もみなこのがんに斃れている。

   自覚症状もほとんどないから始末が悪い。だが、週刊ポストによると、最新の超音波内視鏡検査をやると早く発見でき、5年生存率が3倍になっているという。超音波は都立駒込病院と広島のJA尾道総合病院にあって、だいたい1万4000円から1万7000円ほどでできるそうだ。

   週刊文春はこのところ「老けない」シリーズをやっているが、今週は老けない油である。油は老化を防ぐための最も有効な食品だそうで、アンチエイジングのためには、質のいい油を1日に大さじ2~3杯摂るといいそうだ。

   私はオリーブオイルをパンに付けて食べるのが好きだが、老けない食用油のベスト5は、1位が菜種油、以下順にエゴマ油、アマニ油、ひまわり油、オリーブオイルだという。開栓したら1か月で使い切ることが大事。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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