2018年 9月 24日 (月)

贋札づくりがフェイクの家族団欒もたらす皮肉・・・哲学的ともいえるハイブラウな見事な連ドラ
<anone 第1回~最終回>(日本テレビ系)

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   幸薄い19歳の少女・ハズレ(本名はハリカ、広瀬すず)はネットカフェで過ごすアルバイト。カレー屋の持本舵(阿部サダヲ)は末期がんで死にたいと店をたたむ。青羽るい子(小林聡美)は家族を失った淋しい女。彼らが弁護士事務所に勤める老女の林田亜乃音(田中裕子)の廃業した印刷会社で営むフェイクの家族物語。

   ここに私生活も2重の贋金づくりに凝る男・中世古理市(瑛太)が偽札を印刷しようと誘いかける。彼は亜乃音の家出した血のつながらない娘の玲(江口のりこ)と結婚しようと騙している。玲には陽人という7歳の息子がいて、この子にはあるトラウマがある。ハリカはかつて施設の少年で、現在は難病の紙野彦星というチャット仲間がいて、彼の存在が唯一生きる目的のように大切になっている。

   日本中が森友問題の怪しい成り行きに揺れ、国のトップの発言さえ、真実かフェイクか判然としない時代に、それぞれが闇を抱えた、しかし、限りなく優しい人間たちが、なかなか幸せと巡り合えない。偽札づくりという小道具を中心において、現実社会の規範から言えば重罪のこの小道具が、ついていないこの人たちをフェイクであっても、繋ぎとめて幸せな団欒に導く皮肉。痛々しくもけなげな少女・ハリカが、生きるすべには無知無垢であっても、やっとたどり着いた疑似母の亜乃音の家を「帰る家」と認識して飛び立つ最終回。

   哲学的ともいえるハイブラウさで描かれた見事な連ドラである。(放送2018年3月21日22時~)

   (黄蘭)

採点:2
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