2018年 9月 24日 (月)

佐川前局長「国会答弁904回」全分析!あぶり出てきた「隠さなければならない人と事実」

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    森友学園への国有地払い下げで改ざんされた決裁文書は14件、書き換えや削除された個所は300か所以上にのぼる。多くは国と森友学園との価格交渉の記録、安倍首相の妻の昭恵夫人や政治家の名前の削除だった。疑惑のポイントは、「いつ誰が」「何のために」「誰の指示で」「どのように」改ざんが行われたのかである。

   「いつ誰が」については、財務省は昨年2~4月(2017年)にかけて財務省理財局と近畿財務局の職員が行ったとしている。しかし、他の3つについては、佐川宣寿前理財局長は証人喚問でも明らかにしなかった。NHKは改ざんの契機となったとされる昨年2~3月にかけての佐川前局長の904回の国会答弁を検証した。

   わかってきたのは、土地取り引きの経緯についての答弁はおおむね改ざん前の記述に沿ったものだったのに対し、事前の価格提示や政治家の関与などに関しては、改ざん前の記述とは食い違う答弁が繰り返されていることだった。たとえば、削除された記述に「平成27年1月9日、近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付料の概算額を伝える」というくだりがあったが、佐川前局長は国会では「先方に具体的な貸し付け料とか条件について提示するということはございません」と答弁していた。

   「鳩山邦夫衆議院議員秘書が近畿財務局に来局し、近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、『何とかならないか』と相談」という記述は削除されていたが、佐川前局長は答弁では「記録はない」と3回も繰り返していた。社会部の加戸正和記者は「文書の改ざんは政治家を強く意識し、国有地取り引きに政治家が関与したのではないかという追及を避ける狙いがあったことがうかがえます」と指摘する。

自殺職員に本省から「詳しく書きすぎてる。直せ」

   異常なまでの政権へ忖度には、どんな背景があるのか。行政学を研究している東京大の牧原出教授は、これまで進められてきた政治主導の影響があると指摘する。「政治主導の改革で求められていたオールジャパンの政策決定の共同体というのは、もっと多角的で、各省も官邸もそれぞれの意見を戦わせて合理的な決定を探ることにあったと思います。しかし、(実際は)いびつな形で各省と官邸との関係が作られているように思われます」

   改ざんの舞台となった近畿財務局では、54歳の男性職員が板挟みに苦しみ自殺した。男性職員が自宅に残した数枚のメモには次のよう文言が綴られていた。「上から調書を詳しく書き過ぎていると言われた。書き直しさせられた。勝手にやったのではなく財務省からの指示があった。このままでは自分一人の責任にされてしまう。冷たい」

   男性職員が国有財産を管理する上席国有財産管理官になったのは平成27年7月で、このときは森友学園の担当ではなかった。改ざん前の決裁文書の作成にあたったのは、上司と別の上席国有財産管理官だった。平成28年7月に男性職員は森友学園の担当になった。半年後に国有地売却問題が国会で大きく取り上げられ、昨年2月下旬に理財局から近畿財務局に決済文書の改ざん指示がメールで届き、上司から改ざんを命じられた一人がこの男性職員だった。

文   ヤンヤン
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