2018年 8月 22日 (水)

一大輸出産業になりそうな「日本のトイレ文化」15か国で120万台使われている日本製便器「SATO」

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   成田空港のターミナルには、高齢者のおむつを替えるためのベッド付きの大型やベビカーを入れられるなど、多様化する利用者のニーズに合わせてきめ細かな機能を持つ新型トイレが登場している。

   広島・廿日市市はトイレメーカーと組んで、宮島おもてなしトイレプロジェクトを展開中だ。宮島・厳島神社は「トイレの数が少ないし、外国語の表示が不十分」という苦情が増えていた。たしかに、フェリー乗り場と厳島神社を結ぶ道にトイレは1か所だけで、それも男女合わせて4台しかなかった。

   そこで広さを10倍にして、洋式便器を22台に増やすことにした。子ども連れで入れるトイレ、体と心の性が一致しないトランスジェンダー用にだれでも使えるトイレ、車イスでも入れるトイレなども用意されている。

   NPO法人「日本トイレ研究所」の加藤篤・代表理事は、いま進んでいるトイレ革命は「機能分散」なのだと解説した。たとえば、病気の兆しを知らせてくれる健康トイレはすでに登場している。便器の縁に設けてあるセンサーが大便の中のヘモクロビンを検知し、スマホに通知されて病気の兆しを教えてくれる。尿を調べることで糖尿病や腎臓疾患のリスクを見つけられるトイレを開発中の企業もある。

不潔・不衛生の中国やインドは国を挙げてトイレ革命

   こうした日本のトイレ革命を見習ったのか、中国でも習近平国家主席がトイレをきれいにしろと号令をかけた。中国のトイレは隣との仕切りがなかったり、大便が山のように積もっていたり、とにかく汚い。観光客はホテルを出たら、どこにまともなトイレがあるか、まずそこから探さなくてはならない。

   しかし、鎌倉千秋キャスターが訪れた上海の公衆トイレは、空気清浄機付きの個室の水洗トイレに変わっていた。ここ3年間で、こうした清潔な公衆トイレに改修されたのは7万か所にのぼる。

   インドの不衛生なトイレ事情は中国以上だ。約3億人が大小を問わず道端や茂みで排泄を行っている。このため、年間12万人の子どもが感染症で命を落とし、夜間、外に用を足しに行った少女がレイプされたうえ殺害される事件もあった。インド政府もなんとかしようと、1日5万台のペースでトイレを新設する空前の建設ラッシュになっている。

   そのインドのトイレ革命に大きな貢献をしているのが、トイレメーカー技術者の石山大悟さんだ。自ら考案したプラスチック製の「安全、清潔、格安」な便器、通称「SATO」(SAfe TOilletの略)を1台数ドルで実演販売している。排泄物をわずかな水で流し、ふたが開閉されることで、臭いや病原菌を媒介する虫を遮断することができる。SATOは現在、インドをはじめ15か国、120万台も使われている。

「清潔に保つノウハウ・マナーも教えて」

   鎌倉千秋キャスター「こうしたハード面の改善がすすんでも、問題はソフト面ですよね」

   いくら最新鋭の便器が設置されても、トイレを清潔に保とうという意識が広がらなければ不潔なトイレはなくならない。

   加藤さん「最近、何度か中国に呼ばれ彼らと話すと、きれいさをどう維持し続けるか非常に悩んでいるみたいです。トイレマナーとか掃除とか、日本のトイレ文化のトータルコーディネートを輸出できたら素敵だと思う」

   中国では、高級ホテルのトイレにも汚れたままというのが少なくない。トイレは汚れていて当たり前と考えているのか、こまめに清掃しないのだ。どうも、トイレに対する考え方が日本とは違うようなのだ。

   *NHKクローズアップ現代+(2017年4月11日放送「"トイレ大革命"!日本の技術に世界が仰天」)

文   モンブラン
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