憧れの街「銀座」で働く女たち クラブ、文壇バー、ビストロ、その覚悟に迫る

【プロフェッショナル 仕事の流儀】  総合 04月16日(月) 22:25 ~23:10

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NHK
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   夜の銀座。働く男たちの憧れと言われるこの地には、千軒以上の高級クラブや世界一と謳われるオーセンティックバーなど、夜を彩る店が軒を連ねる。しかし1年以上続く店は、ほんの一握り。熾烈な生存競争のなか、『銀座』を誇りとし、銀座で生き抜く覚悟を決めた女性たちが、今回のプロフェッショナルだ。

   銀座の地で、23年間、クラブママとして生きてきたのが白坂亜紀(52)だ。

   早稲田大学在学中にホステスとなった白坂。すぐにナンバーワンとなり、卒業する前に雇われママになったほどの実力。29歳という若さで自らの店を銀座にオープン、現在は4店舗を経営するやり手としてその名を轟かせる、銀座では言わずと知れた存在だ。

   接客のプロとしての技を知りたいと企業からの講演依頼が殺到し、営業マンたちが足繁く通う。さらには大学からコミュニケーション力向上のための講義を任されるなど、水商売の垣根を越え活躍している。

「誰よりも人の心を掴む力を育むには、いかにその人を心に留めおくことができるかだ」

という。

   一晩で数万円はくだらない、銀座のクラブ。数ある中でも、自らの店に足を運び、満足して帰ってもらうために、いかに客を想い、もてなすことができるか。シンプルだが、これがなければ続けてはいけないと語る。

   相手の心に残る存在になる――。そのために費やす時間は半端ではない。毎朝8時からおよそ5時間かけて、客への礼状書きや、メール作業に励む。前日に店を訪れた客はもちろん、近頃足が遠のいている客や、定期的に連絡だけは取り合っている客など、相手に応じて、文章の分量や頻度を違えて、相手が心地いい距離感を探りながら行なうという。

   ある夜、10年ぶりだという客が白坂の店を訪ねた。突然来たにもかかわらず、名前や会社を覚えていることはもちろん、誕生日まで覚えていた。客はもちろん、いたく感銘を受け、店を出るときには満面の笑みを浮かべて帰っていった。

   「これくらいは、銀座では当たり前よ」。そう話す白坂。人に愛されようと思う前に、まず人を徹底的に想うことから始める、それが白坂の信条だ。

   銀座に店を出して23年、これまで幾度も危機に見舞われてきた。リーマンショックの頃には、銀行からの貸し剥がしに遭い、自殺を考えるほどに追い詰められた。しかし、「私を潰したら、銀座の未来はない」と、銀行で啖呵を切り、融資を認めさせるなど、死に物狂いで店を守ってきた。その怒涛の日々が一段落した頃にやってきた東日本大震災。ネオンで煌めく銀座は、悪の象徴として嫌がらせを受けるようになった。

   しかしその一方、夜の銀座を守ろうと、無理をしてでもお店に足を運んでくれる客もいた。

「銀座は文化や経済の発信地、その誇りの一つとして、銀座のクラブも存在するはず。なんとしても銀座を枯れさせたくない」

   以降白坂は、自らの店のみならず、銀座の他業種の人たちと組み、様々な活動で銀座を発信している。

   他にも、文壇バーの店主や、銀座の女たちの胃袋を支えるビストロの若き女将なども紹介。

   いい時も悪い時も、常に時代の顔を映す場所である銀座。どんな時代が来ようとも、その流れに寄り添うように生き、銀座を支える女性たちの覚悟に迫る。

*プロフェッショナル 仕事の流儀

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