2024年 4月 25日 (木)

「子宮移植」で子どもを産む時代に! 代理出産も認められない日本は世界の最先端不妊治療とどう向き合うか

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   夫婦の5組に1組が不妊治療を受けている不妊大国・日本。体外受精、卵子凍結、代理出産といった治療法に、新たに子宮移植が加わり、世界で11人の新しい生命がすでに誕生している。

   「どれだけお金がかかるのか」「精神的にも肉体的にも疲れる」という不妊の悩み。第三者の子宮に受精卵を入れる代理出産も日本ではまだ認められていない。そこに子宮そのものを移植する新たな選択肢が加わった。この最先端技術と、私たちの社会はどう向きあえばいいのか。

生まれつき子宮がない女性が、母・姉妹の子宮で子を産める

   子宮移植先進国のスウェーデンを取材した。子宮移植によって世界で4番目に生まれたキャッシュ君(2018年6月で3歳)の母、ロリータさんは子宮がないロキタンスキー症候群だと14歳の時にわかり、「なぜ私が」と日記に書いた。「悲しく、孤独だった」という。

   ロリータさんは7年前、首都ストックホルムから500キロのヨーテボリ大学病院でのちに世界で初めて子宮移植に成功するマッツ・ブランストローム医師の説明を初めて聞いた。臓器提供は、子ども4人を産んだ38歳の姉に頼んだ。子宮を提供するドナーは高齢で出産経験のある人が適するといわれ、母親や姉妹のケースが多い。

   10時間以上の移植手術をへて、ロリータさんは帝王切開でキャッシュ君を産んだ。「言葉にできないぐらいうれしかった」そうだ。産後に子宮は摘出するが、免疫抑制剤を飲む必要もなく、母体に問題は起きない。

   この4月(2018年)、ブランストローム医師の診察を受けていた女性は「リスクは知っていますが、医療チームを信頼しています」と話した。見学に訪れていた慶応大学の木須伊織医師は「日本ではまだ議論段階で、社会的に認められる必要がある」という。

   関西に住む30代女性はロキタンスキー症候群と診断された。「産めるのなら産みたい」と思いつづけ、期待と不安の日々を過ごす。ロシアで代理出産したフリーアナウンサーの丸岡いずみさんは「日本でも症例があればトライした可能性はある」と話す。

   京都大学の菅沼信彦名誉教授は「日本でも研究は10年前から進めてきた。産科や小児科など幅広い医療が必要で、社会的コンセンサスもいる」と指摘する。

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