2024年 4月 25日 (木)

ナメたら怖い「五月病」負のスパイラルに落ちると重症化してうつ病休職

   今年(2018年)の大型連休は最大9日。それが終わった今週月曜日、朝の通勤電車で体調を崩す人が続出したそうだ。眠い、ダルい、会社に行きたくない・・・俗にいう「五月病」だ。

   産業医として、1万人以上も面接してきた医師の武神健之さん(日本ストレスチェック協会代表理事)によると、五月病は正式な病名ではないが、メンタルヘルス失調の一歩手前、扱い方一つで重症化する。また、若者だけでなく、中高年でもなるという。武神さんが作った「五月病診断」のチェックシートはこうだ。

   ・4月、自分や家族の生活に変化があった

   ・眠れているが疲れが抜けない/眠れない

   ・仕事の結果が出ていないと気になる

   ・趣味や遊ぶことが面倒くさい

   ・同僚とのランチや飲み会に疲れる

   キャスターの武田真一が「2つ以上あてはまると可能性があるそうですが」とやってみると、3つにチェックがついていた。

漫画「うつヌケ」の田中圭一「気温差大きい3月と5月と11月に谷間がある」

   ★徹底分析「原因は4月にあり」

   武神さんの診察例の1つは入社2年目の女性。4月に新入社員を迎えて、新人と比較されてるように感じて、大型連休明けに会社に行けなくなった。武神さんは「大型連休でリセットができなかった」と診断した。

   40代の管理職の女性は次第に部下から距離を置かれるようになり、連休明けにめまいや睡眠障害に悩まされ、会社を休むようになった。武神さんは「部下の家庭や環境の変化にまで気づけなかったのが原因」という。

   IT企業役員でお笑い芸人の厚切りジェイソンは「休みでリセットするには、自分にあった休み方が必要ですよ。少しづつとか、毎日早く帰るとか」と話す。アメリカはそうなのだという。

   うつ病を抜け出した体験からの漫画「うつヌケ」がヒットした漫画家の田中圭一さんは、「自分の気分をグラフ化したところ、3月と5月と11月に谷間がありました。共通するのは、気温差が大きいことだった」と語った。武神さんも「それをストレスに感じる人もいます」

   ★徹底分析「こわ~い重症化」

   昇進したら動悸や不眠に悩まされ、「適応障害」と診断されて、うつ病で休職中という例もある。武神さんは「負のスパイラル」という。動悸などで仕事がはかどらない→残業が増える→帰宅が遅くなる→眠れないというやつだ。

   田中さんも「失敗した時に、俺が悪いんだと自分を責めて、負のスパイラルに入っていった」という。

   対策に動いた企業があった。ITベンチャー企業が社員の心の健康状態を把握するマークを考えだした。お日様ピカピカから土砂降りまでの6段階のお天気マークである。「今の気分をタッチ」して会社に送る。これで上司が部下の状態を把握するようになって、離職者が減ったという。

   このアプリは商品化されて、60社以上が使っているという。開発した社長の石田有さんは「管理職としての後悔からでした。新入社員のメンタル不調に気づけなかったんです」と話した。

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