今週もうなった「週刊朝日」東海林さだお名コラム ―「いきなり!ステーキ」の店名が「立ち食いステーキ」だったら・・・
札付きの変態だった小林遼!児童がらみでたびたび検挙―さすがに事件ものに強い「週刊新潮」
やはり事件ものでは週刊新潮に一日の長がある。新潟県で起きた大桃珠生(たまきちゃん(7歳)を誘拐して殺害し、証拠隠滅のために、亡骸を線路に置き去りにするという残虐非道な事件の犯人として、小林遥容疑者(23)が逮捕された。
小林は捜査本部へ移送され、署内に入る時に一瞬ニヤリとした表情が、テレビを見ていた視聴者の怒りを増幅させた。こういう事件でありがちな、高校を出て電気配線工事の会社にいたが、勤務態度はいたって真面目で、無断欠席は一度もなかったそうである。週刊新潮によると、両親と姉、弟の5人暮らしで、近所では「おとなしくて真面目」だった。
中学時代はロボットコンテストに夢中で、アニメオタクだったらしい。だが、捜査関係者によると、「彼はこれまで何回か検挙され、1月末には児童ポルノで書類送検されました。新潟のほか山形でも、児童がらみで摘発されていて、つい先月も別の子への青少年健全育成条例違反で書類送検されたばかりです」
社員旅行でも、他の社員が連れてきた女児にまとわりついていたという。
この地域は、1962年頃から家が建ち始め、新潟地震で液状化を免れたため家を失った人たちが越してきて住宅地になった。30年ぐらい前は「小針銀座」といわれたこともあったが、高齢者が多くなり、今では「年金通り」と呼ばれているそうだ。空き家も多く、無計画に宅地造成されたため、入り組んだ袋小路が多いという。
そういうこともあり、逮捕までに1週間もかかったそうだが、先の捜査関係者がいっているように、最初から小林は行動確認の対象だった。こうした事件が起きると、必ず、性犯罪常習者をGPSで監視しろ、住民にそうした要注意人物がいることを知らせておくべきだという意見が出てくる。だが、今でも日本は立派な超監視社会である。この上、プライバシーを警察に売り渡すのは、御免蒙りたい。
事件後から小林はマークされ、防犯カメラの映像には小林のクルマが写っていて、逮捕に至った。事前に防げなかったのかという思いはわかるが、もし、あなたの数十メートル先に性犯罪者が住んでいるとわかったら、あなたはどうするのか。その人間の行動確認を毎日するのか、それともそこから引っ越すのか。日本のような村社会で異物がいることがわかれば、その村はそれを村八分にするか、その村は崩壊する。そんな重苦しい気持ちになるなら、知らないほうがいい。私はそう思う。